注:この記事は、長年彼女のいない男の僻み、妬みが前面に押し出された偏見に満ちた物となっておりますので、そのことを踏まえて冗談半分でお読みください。
- 作者: 小島アジコ
- 出版社/メーカー: 宙出版
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 単行本
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作品の概要は言う必要のないでしょう。知らない人はググ(ry
作品の魅力としては、まず何といっても801ちゃんの可愛さにあると思います。人間バージョンのオシャレな感じと中身のマスコット的な可愛さ。簡素な絵柄で描かれているものの、コロコロ変わる表情や多彩なアクション、女の子としての葛藤なんか作者の描写力を感じます。これがフィクションだったらなぁ。
基本この漫画は小島アジコ先生による「僕の彼女かわいいでしょ?」というノロケ本です。「腐女子の生態観測漫画の皮を被った」とつけようかと思いましたが、小島先生へのインタビューでは元々のろけるために作られたということらしいです。
「腐女子なのに可愛い」というのは、良くある固定観念を破るこの漫画の武器だと思います。ただあまりにも801ちゃんに対して可愛く描きすぎている描写が目立つため、2人の関係性に関してただのノロケにしか感じられませんでした。もっと801ちゃんが腐女子だからこその不平不満も出してもらわなきゃ逆に薄っぺらく感じてしまいます。たとえるならば、「新婚さんいらっしゃい」でただただお互いの良い所しか話さないカップルよりも、長年連れ添った旦那の悪口を冗談交じりで言う女房の方がなんか愛を感じるじゃないですか。(これは単なる個人的な趣味ですかね。)
個人的なノロケのために作られた漫画としてはこの上ないものだと思うのですが、30万部売れてるとなるともうちょっと+α求めても良いような。801ちゃんがこの先小島先生の代表作となるならば、801ちゃんに対し馬鹿女野郎と罵倒するくらいの2人の関係のただれた所まで見せてほしいと思います。(馬鹿女野郎というのはアクションで自分の妻を題材にした漫画を描いている福慢しげゆき先生が妻に(心の中で)言い放った言葉。パートナーの魅力を引き出すという面でこちらの方が優れていると感じているのですが、801ちゃんの方が完全に市場に選ばれているからただの少数派の戯言なのでしょうか。)
+αというともう1つ。簡素な絵柄はウェブで見る分だとそれ自体に味があっていいのですが、本という形で読むと物足りなさを感じます。日程の問題なんかがあったとは思いますが、いかにも今の腐女子ブームの流れに乗ってしまおうという出版社側の意図が見え見えで。それ自体は当然なことなんですが、1000円もする漫画の割に満足度的にはどうなのよ?という疑問が。もうちょっと時期を置いて描きこんでほしかったです。
ちなみに僕は満足しました。1巻に比べ2巻では、パロディ部分で秀逸なものが多かったので。「所詮この世は弱肉強食」なんかが特にツボに入りました。少しでもオタク入ってる人にはもれなくクスっとさせられるネタが詰まりに詰まっています。小島先生が801ちゃんの一発屋ではなく漫画自体のセンスを持ち合わせていると感じました。
褒めた後にはけなしましょうか。あとがきで描かれた漫画が見るに耐えない。ネットを通じて知り合った801ちゃんに一方的に好意を寄せられていたとベタなエロゲーみたいな実話。何この勝ち組ストーリ。きっとバリバリバリュー見た人は似たようないたたまれなさを感じたんじゃないでしょうか。
要するに、小島先生の漫画は好きだけどノロケ話には付き合ってらんないという一人者の独り言でした。
あとチベ君総受け本は普通に気になるので週末あたりアキバに行ってもまだ買えるでしょうか。