ハムスターよりカエル系 あしたも嵐!

虎さんしかりでろでろしかり「駄目な兄としっかり者の妹」というのは物語の王道ですが、この漫画は兄が駄目なら妹は頼りなく、真ん中の次男が苦労するというお話。だんご3兄弟に対するアンチテーゼです。(我ながら古い上に分かりにくい冗談だ。)

あしたも嵐!(バンブー・コミックス)

あしたも嵐!(バンブー・コミックス)

この漫画は、山の上歌劇団の登場人物の1人、虎二郎とその兄妹の話です。
山の上歌劇団を知らない人に簡単に内容を説明すると、ミュージカル好きの女の子樹里が田舎の高校にミュージカル部を作って活躍するというお話。かなり投げやりな説明ですが。
あとがきによると、4コマ漫画家で小笠原朋子先生の友人である師走冬子先生との雑談から生まれた話のようです。嵐の名付け親も師走先生。「かわいそうな名前」ということの様ですが、男の子っぽい名前の女の子キャラって可愛いと思います。ツボです。透くんとか。
龍太郎、虎二郎、嵐の黒澤家3兄妹の話。3人中2人が人見知り。特に長男龍太郎は度を越えていて、大学でも1人だったり家に遊びに来た虎二郎の友人を初めての友達と言ったり本棚にはパーティージョーク集が置いてあったり昔弟妹と交換日記をしていて気が付けば20ページも「助けて」と書いたり…最後のほうは人見知りというより病気の人です。
末っ子の嵐も人見知りの上に臆病者。ビビッてる姿が可愛いです。2人のことが気になって世話を焼く虎二郎。山の上〜では変人集団演劇部の部長だったはずが、この漫画では唯一の常識人として描かれています。
山の上〜の登場人物は他にも登場。山の上〜ではただの変人くらいの存在感だった松本が、黒さを増して登場。人見知りの龍太郎&嵐は見た目人当たりのいい松本になついてしまいます。嵐1人だったら小笠原先生得意のラブコメ展開なのですが、龍太郎が絡むことでいい感じに気持ち悪くなってます。刷り込みのひよこの様に自分を慕ってくる二人を、持ち前の黒さで振り回す松本。振り回すとは言っても酷い事はそこまでしないあたりに、松本と虎二郎の友情みたいなものがあるんですかね。
他にも両方で出てくるキャラに、ダイアナがいます。純アメリカ人なのに英語が喋れない、ド田舎に住んでいるので午後6時がもう終電、荒っぽい性格と、前作と印象の変わりません。虎二郎との喧嘩するほど仲が良い関係は、今作で更に進んでました。恋愛面でそこまで進んだわけではなく、何となく「腐れ縁な幼なじみ」といった感じ。(知り合ったのは高校からですが)なかなか進展この2人の関係はもっと見てみたいです。2人のさくらハイツ102みたいな展開を読みたいです。虎二郎のデレが見たいんですよ!
まぁダイアナもいいけど嵐かわいいよ嵐。人見知りで臆病者な所や、好きな男(松本)に一途な所なんか、猫と犬を足した可愛さがあります。僕の中のベストオブ妹キャラです。
連載期間自体は2年以上あったわけですが、1巻だけというのはもったいない。多作な作家なので他の作品で3今兄妹を見れることを期待していたのですが、もう3人の今後を描くことはないみたいです。残念。その分これからの作品、キャラクターに期待します。
未収録の回があるということで、残念です。何か問題があったのでしょうか。雑誌買ってないからもう確認することも出来ません。どんな話だったかさすがに覚えてません。いつか収録されますように。
山の上はボリュームがあっておまけページも豊富でした。作家のラインナップは竹書房のほうが好きなのですが、(みずしな先生とかいるし)2つを比べるとどうしても芳文社のほうがしっかりとした本を作る出版社だと感じてしまいます。
山の上歌劇団 (まんがタイムコミックス)

山の上歌劇団 (まんがタイムコミックス)