オーバーすぎるアクションシーンと共に、暖かな人間ドラマが展開されます。自分の知らない猿渡先生の一面を見ました。傷だらけの仁清。
- 作者: 猿渡哲也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/19
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- 作者: 猿渡哲也
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その世界で一目置かれるヤクザとしての日々を過ごす仁清は、時にその優しさ故心を傷つけることが多かった。そんな中で出会ったのは、警察署長の円城寺とその家族。円城寺の娘の命を救ったことがきっかけで、警察署長とヤクザの奇妙な友情が生まれる。
所属する組が解散し居場所を失った仁清に、円城寺はカタギになって自分の家で働くことを勧める。円城寺の家で働く決心をした仁清。天涯孤独だった彼に、はじめて家族が出来た。
ところが、自分の育ての親であった組長が襲撃されたことを知り、仁清は報復に向かう。襲撃したシンヤ興業を素手で叩きのめしたが、仁清は円城寺に逮捕され懲役3年を求刑される。それでも自分を思ってくれる円城寺たちの優しさに触れ、仁清は今度こそヤクザから足を洗うことを決意する。
TOUGHで知られる猿渡哲也先生。アクションシーンはお手の物です。巨大な筋肉の塊に覆われた仁清が、敵をなぎ払うシーンは圧巻。弾を避けない、刃も避けない。ただ愚直に進んでいく姿がステゴロ仁清の恐ろしさを表しながら、仁清の真面目な人柄も出ていると感じます。アクション主体の印象の強い作者でしたが、今作の見所は仁清とその周りを巡る人間ドラマです。
所々で猿渡先生の遊び心が見受けられます。仁清の組長を襲撃した「サディストのエス丸」なる人物は、どう見ても日ハムの某スキンヘッドの外野手の外見をしてます。思いっきり悪役で。許可取ってんのか不安になります。あと仁清がシンヤ興業を襲撃する際トラックで事務所に突っ込むのですが、何故か無性に笑いがこみ上げてきます。そこだけやや画太郎調に映りました。