ビジュアルから漫画に入るということが僕はほとんどないのですが、この漫画の場合はストーリーよりも先にクドくてグロくてそれでいて美しさを感じる絵柄に惹かれました。妖怪人間べムにヤンジャンから追い出された野獣は眠らず、第3巻。敵は身内とはこのことか。
- 作者: 高橋秀武
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/19
- メディア: コミック
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〜あらすじ〜
不起訴となった殺人犯を正義心から殺した刑務官・西原。事情を知らない刑事の類家小五郎は、西原を射殺してしまう。自分と同じ正義心を持った西原を殺してしまった類家は、血の涙を流す。
類家の前に霊として現れた西原。類家は西原に導かれるまま、未解決の殺人事件を解決していくこととなる。こんな感じ?
3巻ではかつて西原が殺した殺人犯、田崎に取り付いていた悪霊、淫獣(サキュロス)が登場。類家はサキュロスを倒すために血塗られた正義の道を歩むことを誓い、それが叶った後は贖罪のため自らを殺して欲しいと西原に頼み、西原はそれを了承する。類家の台詞回しや、絵柄、表情、言葉の引用、類家と西原のカラミやらがヤンジャンらしからぬ濃さがあるのですが、その濃い世界観がなんとも惹きつけるものがあります。
クドい絵柄なのに女キャラがやたら可愛いのも特徴です。ホラー漫画の中の美少女といった感じです。ヒロインの森さんが暴行されそうになったところを類家に助けられ、泣きつくシーンがツボにハマって仕方がありません。でも類家はそんな森さん一人を守ることよりも、破滅へと繋がる正義の道を歩むことを決めたわけで…納得いかん。男ってのは正義なんかよりもほれた女を幸せにするほうが大事だと思いますよ。でもその愚直さは連載1回目から貫かれている類家の本質なんですよ。
こんな感じで盛り上がってきたってのに、第一部完。現在作者の高橋秀武先生はヤンジャンで妖怪人間べムを連載しています。べムも面白いですよ。でもこんな中途半端な所で中断されちゃ読者としたらたまっちゃもんじゃありません。かつて「ヒーリングプラネットどうでもいいから守護月天はどうしたんだコラァ」と憤ったのと同じ感覚です。それでも某所で高橋先生がベム製作について熱く語っていたので、ベムを楽しむことが出来ます。
作品の濃さがヤンジャンからは浮いてるんじゃないだろうかと余計な心配をしてしまいますが、べム完結の後には是非とも野獣は眠らずの続きを描いていただきたいです。
あーそれにしても森さんかわいいなぁ。