アフタヌーンを定期購読している後輩に、「アフタヌーンで好きなのはあさりよしとおと植芝理一だ」と言うと、「先輩、マニアックですね」と言われました。アフタヌーンを定期購読してる奴に言われたくないと思いました。
世間的には今日はげんしけんの発売日ですが、僕にとっては植芝理一の新作「僕の彼女Ⅹ」の発売日です。
- 作者: 植芝理一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/08/23
- メディア: コミック
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この世に
SEXというものが存在することを
はじめて知った少年は―
誰もが
こう思うに
違いない
自分がそれを初体験する相手は
いったいどんな女性なのだろうか―と
このような出だしで読みきりが書かれたのは、連載が始まる1年半前。待望の連載から1巻が出るまで、2年間も…待たせやがって。
転校生、ト部美琴は「ヘンな奴」です。転校初日、授業中にいきなり大声で笑いだしました。休み時間は寝てばかり、誰とも親しくなろうとしません。
放課後、下校時間になっても机に伏せたまま眠り続けるト部を、クラスメイトの椿明が起こします。
起きて顔を上げたト部の口元にはよだれ。ト部は帰り、教室に残った椿は机に残ったト部のよだれに気付き、思わずよだれをなめてしまいます。そして一言「あまい・・・」。
本当にどうかしてます。しかし、これこそが僕が待ち望んだ植芝理一なのです。
その夜、椿は夢を見ます。どこなのか知らない奇妙な町で、ト部と二人で踊る夢です。
その奇妙な町は、植芝先生のお家芸の緻密な書き込みがされていました。この絵は今作では夢でしか出てこず、脈絡なく書き込まれていた頃より、夢というものの神秘性を表す手段として効果的だと感じます。
何日かして、椿は熱を出します。何日立っても熱が下がらず、家で休んでいる椿の元にト部がきます。
「わたし・・・椿君の病気の原因―
知ってるの・・・」
「わたしのよだれ―
なめたでしょ?」
はずかしそうにうなづく椿に、ト部は自分の指によだれをつけ、椿の指先を入れます。
「指先を―
口の中でなめて・・・」
ト部が指を抜くと、椿の熱は下がりました。
「わたしのよだれを取り入れなかったから―
椿君の体に禁断症状が生じてたのよ」
禁断症状という言葉を聞き、椿はト部のよだれには何か特殊な成分があるのかとト部に聞きますが、ト部はそれを聞いて大笑いしてしまいます。
「あなたににかかっていた病気に―
特殊な成分とか細菌とかは関係ないわ」
「ただの―
恋の病よ」
「椿くん・・・もしかしてあの時―(教室で寝ているト部を起こした時)
わたしのこと―
すきになったんじゃない?」
好きになりました(僕が)。
ヒロインのト部は髪はボサボサ、無愛想で、奇行もあり、いつも寝ていてよだれをたらす、とても皆があこがれるタイプの女の子ではありません。そんな子をヒロインに置くマイノリティーさが、好きな人間にはたまらないのです。
読みきりで書かれた第0話、明日もう少し続きを紹介します。
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http://blogs.yahoo.co.jp/beatarai/archive/2006/08/22