統一球変更隠蔽問題、「不正の可能性・危険性」も論点に加えるべき

統一球の経緯意義問題点などはすでに各所で語られているので置いておく。
ここでは、「不正の危険性」について述べたい。

・同じボールという建前で。、明らかに結果の変わる違うボールが使われていた
・それを一部関係者以外別物と把握できていなかった*1
このような状況で、
『もしボールの差を把握し・情報を独占し・意図的に使い分ける事が出来る者がいたら、特定球団・試合・選手に優位になるように不正が行えたのではないか
という疑問が出てくる。
やり方は簡単。球団の場合、守備時は低反発、攻撃時は(比較的)高反発を使えば良い。得点・失点に明らかに有意差が出て、常勝球団の出来上がり。
「反発係数が明らかに違うボールが混じっている可能性」なんて考慮して試合が行われていただろうか。考慮されてなければ、不正が行われえるのではないか。巨額の金が動くプロ野球、個人にとっての大金で買収すればあるいは…

無論、そんな事は起こってはいない。空論だ。もし、そんなことがあったら、スポーツとしての立場を揺るがす、黒い霧事件以上の大不祥事だ。
しかし、「ボールの変更・それによる防御率等結果の明らかな差異・変更情報の一部独占」という事実は確かにあり、それらは可能性として「不正のきっかけ」になりえたるのではないだろうか。
勝敗を左右するような不正は、スポーツでは絶対に起こってはいけない。「将来のきっかけたりえる状況」を作っただけでも問題なのだ。不正の「芽」を完全に摘み取るという点でも、今回の隠蔽問題は対策してほしい。



また、不正防止の観点で言えば、「球団が反発係数の変化を把握できなかった」というのも問題だと思う。無論、NPBの検査を信じるのは当然だったと思う。しかし、「不正はありえる」という考えを持てば、それを鵜呑みにせず独自でもチャックするべきだったといえるのでは。実際、NPBは嘘をついていたわけだし。
もしもの話、反発係数操作による不正の被害者となって、それを把握できず野放しにしてしまった場合、その損害はどれほどだろうか。被害を最小限に抑え、もっと言えば被害が起きないための抑止力のためにも、12球団すべてが独自チェック体制を持つべきではないか。
さすがに考え過ぎとは思うけど、事実、今までの常識を覆した出来事が起こってしまったんだから、考え方を変えてもっと踏み込んだ「もしも」を考慮しなければいけないと思う。
もっとも、本当に12球団は把握できてなかったのかといえば、それは素人には窺い知れない世界だけれど。

プロ野球統一球、飛びやすくなっていた NPB認める (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
<統一球問題>コミッショナー謝罪「隠蔽のつもりなかった」 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース


しかし、すごい事件が起こったものだ…思わず「ONE OUTSの世界みたいだ」と思ってしまった。
プロ野球を舞台にした漫画なのだが、対戦相手で「球団・球場全体で不正行為を行う」チームが出てくる。盗聴・サイン解析に、試合球の改造なんてのも出てきた。漫画らしい荒唐無稽な話だったはずが、現実がホンの少し近づいてしまった、というか、ワンナウツの方法もやろうと思えばできてしまうのではないか、そんな気がした。

*1:「明らかに別物だ」という選手ほか現場の声はあったが、事実として公表されておらず確信できたものはほとんどいなかった。