- 作者: 雷門獅篭
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2008/09
- メディア: コミック
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実話系4コマは、風変わりな人・集団を描く興味深いものがたくさんある一方、たくさんありすぎて手を出しにくいというのが本音。この漫画も、下の記事を見るまで知りもしませんでした。
雷門獅篭「雷とマンダラ」は、名古屋芸人のエピソード満載。 - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明
「雷とマンダラ」雷門 獅篭(ぶんか社): ポトチャリコミック
これは面白そうだ、と。
簡単に言うと、売れない芸人の実話漫画in名古屋。
知らない人の人生ってのには好奇心を刺激されます。特に、自分とは全く違う生き方をしている人に対して。実録漫画の良さは、それを簡単に満たしてくれる所にあります。
なので、「漫画としての面白さ」は失礼ながら「広告についてる漫画」程度にしか期待してませんでした。芸人の変わったエピソードが知れれば良いと。ところが雷とマンダラは「漫画として」ちゃんと面白いのです。破天荒な人物・エピソードがただ淡々と示すだけでなくて、テンポ良く畳み掛けてきます。腹を抱えて笑いました。作者=主人公が他の登場人物に負けないくらいどうしようもない人間なのがまた面白いです。
何十年も売れない芸人やってた「化石」の様な人たちのエピソードはどれも秀逸。後半ネタに詰まったのか知り合いの漫画家の息子と共にスポーツチャンバラする話がはさまれる所など、「本当に芸人としての仕事がないんだなぁ」と感じました。
登場する芸人の1人に、「銭形金太郎」に出演した人がいるそうです*1。思い出した、この面白さは銭金の面白さだと。毎回出てくるキャラの濃いビンボーさんたちを、芸人が上手く料理するあの感じ。化石芸人たちを描ききる獅篭先生がくりぃむしちゅ〜の様に、周りを活かしつつ自ら笑いを取ります。
銭金といえば、番組に出演経験のある東方力丸さんを数年前下北沢で見かけたときは「俺東京に着たんだな〜」と感激したのを覚えています。その話同じく東京に住む姉にしたとき、一緒に飲んだことあると聞いて驚きました。
TVの中の得体の知れない人は実在するし、普通に人と酒も飲むという当たり前の事を実感したのですが、この漫画はそういう感覚を紙面を通して味わわせてくれます。こんな世界に生きている人もいるのですね。
*1:イカ八郎さん。芸歴なんと50年!