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ラブコメとして読む「この世界の片隅に」

アクション連載。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

戦中の広島、浦野すずは軍都、呉へと嫁ぐ……。新しい街、新しい人、新しい人生。築き築かれ、壊し壊され、それでも重なっていくいとおしき日々……。『夕凪の街 桜の国』で戦争の悲しみをまったく新しい形で現代に提示したこうの史代が描く新境地!

(見つかりません | WEBコミックアクションより。リンク先で第1話が読めます。)
夕凪の街桜の国という「戦争」「原爆」を描いた傑作で知られるこうの先生。もしかしたらそのイメージが強すぎて、こうの作品に敷居の高さを感じている人はいないでしょうか。実際自分がそうでした。しかし、そんな考えはもったいない。こうの先生の作品の魅力は、それだけではとどまらないのです。
「戦争の影が日に日に濃くなりながらも日々を懸命に生きる姿」なんてかたっくるしい事考えないで、「呉の花嫁」というラブコメとして楽しんじゃおうと。
全く知らない*1男から求婚されて、広島から呉の北條家へ嫁ぐことになったすず*2
初対面も当然の2人が、「夫婦」になる。

これは結婚式当日の2人。距離感探り探りな感じが初々しくて良いですね。ここから少しずつ互いを知っていって、少しずつ深い仲になっていくのです。
ブコメの主人公同士なのだから、当然2人の仲を邪魔する人が現れますね。まず家族という障壁が。すずを優しく受け入れてくれる北條一家。しかし、そこにはイジワルな義姉が!

しかしすず、意外にもこれをスルー。
そこに新たな難題が!夫の過去の女の影が!そしてすずにも近づく幼馴染の男が!こういう恋のライバルがいてこそラブコメは燃え上がるのです。

それは犬も食わない夫婦喧嘩のエサとなったり。こうした姿が逆に、はじめはぎこちなかった2人の距離が縮んでいるのが見て取れます。
ほら、ドッキリエッチハプニングとか無いけど何だか「TO-LOVEる」みたいなラブコメに思えてこないですか?え?エロが足りない!って?全く分かってないな君は!女性の性的魅力ってのはおっぱいとかそういう所だけじゃないんですよ。そういう直接的な部位はやめろよ! どこまで変態なんだ君は!
えー、こうの先生の描く女性の「表情が」「眼差しが」「姿勢が」「うなじが」「髪が」色っぽいと言葉を並べようと現物には敵わないので、是非本屋で現物の表紙を見てください。特に中巻は、ここまで美しい女性の表紙はここ最近見たことが無いくらいの素晴らしい表紙です。それに引っかかった人は、ジャケ買いしても問題ないと思います。

*1:実は小さい時に一度会っていて、男はそれを覚えているのです。それで時を経た後で親経由で結婚の申し込み。こういう下手すればストーカー的な純情はラブコメの主人公には必須なのです。

*2:当時の感覚では広島から呉は「見知らぬ遠い土地」のようです。