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もう「傑作」という言葉を使っても問題ないはず ワールドエンブリオ 4巻

ワールドエンブリオ 4 (ヤングキングコミックス)

ワールドエンブリオ 4 (ヤングキングコミックス)

ヤングキングアワーズ連載。
たんまり新刊が出る月末のこの時期に、それらを無視して最初から読み直させる程の面白さがあります。現時点で4巻までしか出てないので、未読の人はきっと今が良いタイミング。読めばいいのに。

携帯電話を通して人に感染する「棺守」という化け物の存在を知った主人公が、棺守との闘いに巻き込まれていくという物語。既読の方はニュアンスの違いは大目に見てください。

ワールドエンブリオ」という題名の意味が、おぼろげながら分かってきました。「世界の繭」と乱暴に訳せば、繭から生まれた少女、ネーネの事であり、彼女の存在が棺守と人の、つまりは世界の命運を握る存在だということが少しづつ明らかになっていきます。

そして、彼女を見つけた主人公・天海陸にとっても、彼女の存在は非常に重要です。彼女は2年前に行方不明になった「天音姉」への唯一の手がかりだからです。

「天音姉」とは誰なのか。彼にとってどのような存在なのか。3巻までで断片的に情報は出てきますが、4巻では天海の口から彼女の事が語られます。
衝撃的でした。
親しい人との別離がショッキングなものというのは当然なことなんですが、「天海陸にとっていかに大事な人物か」というのが強烈に描かれているからです。
「姉」という呼び方でまずミスリードさせて、過去の回想では天音姉に対する天海の想い(中学生男子のストレートで甘酸っぱい感じ)を描き、彼が幸せを感じた直後に「別離」という奈落を見せるという鬼の様な演出にゾクっときました。
彼女の「今際の際」*1の、大の大人でも到底抱えることの出来ないであろう理不尽な絶望。陸が時折見せる「狂気」の種を意識させるに十分過ぎるエピソードでした。

世界の命運を握るほどの、「危険性」を持ったネーネを、この先陸は決して手放せません。それは、今後、共に棺守と闘う「仲間」を敵に回す可能性を示しています。1番大事なもののために2番目3番目の大事なものを捨てられるという単純なものではなく、今後の不安がまた1つ現れてしまいます。

作中の謎が1つ明らかになると、また新しい謎が1つ生まれます。作品の謎が全て明かされるのは作品が結末を迎える時でしょうが、今回の描かれた「謎解き」を見る限り、全てが語られるまで自分はこの物語から目を話すことは出来ないでしょう。


いや、最初は「ヒロイン・レナの痛さ」(ファッション、言動、間違ったお色気路線)をツッコミ目線で楽しむ漫画だと勘違いしてたんですが、レナがヒロインじゃないとわかった途端に真っ当に面白いって分かりました。相変わらずイタタな偽ヒロイン・レナや新キャラのクララたんが可愛かったり「アニメ化したらクララたんは釘宮じゃね?ツンデレっぽいし」とか「むしろ陸だろ。弟キャラだし」とか「群衆の中での制限される闘いの緊張感は、作者が作品の特性を完全に把握しているからできるんだろうな」とか語りだしたらキリがないですがもう眠る時間なんでここら辺で打ち止めです。

*1:今際という言葉が適切か分かりませんが