ゴルゴ31があまり紹介しないオススメ漫画レビューサイト

「ゴルゴ31」被リンク数ランキング (2007年版)
ゴルゴ31さんで紹介されることが他のニュースサイトに広がり多くの注目を集めます。ですが、当然「紹介されない記事=優秀でない記事」ということは決してありません。紹介されないサイトも、素晴らしい記事を書くところがたくさんあり、ニュースサイトに関係なく多くのファンを集めていますが、知る人ぞ知るは知らない人は知らないわけで、「ニュースサイト*1に紹介されにくいオススメのサイト」を紹介したいと思います。自分はレビューサイトが好きなのでレビューサイトばかり選びました。


●今回、このようなサイトは紹介しません
・100位に入っていなくてもよく紹介されているサイト
・自分と近いサイト
(リンクしていただいているところや年末にコミケであった所などは紹介しません)*2

ƒ|ƒgƒ`ƒƒƒŠƒ|ƒ‰ƒpさん
えー、リンク代わりにアンテナ登録していただいてウチのブログも見ていただいているので今回紹介するのは上の基準にいきなり矛盾しているんですが仕方ないじゃない、好きなんだから
基本的に単行本のレビューをしている(つもりの)自分にとって、目標としているサイトです。
特長は、メジャーからマイナー、サブカル系、4コマ、成人向けまで幅広いジャンルの漫画に言及しているところです。

「大妹」和六里ハル(コアマガジン)(成人向)
このレビューきっかけに大妹読んで和六里先生にハマりました。エロ漫画を「何故エロいか」「どうエロいか」を多くの人に伝わるって凄く難しいことをやっているのは凄いと思います。

「ふたりごと自由帳」小坂俊史&重野なおき(芳文社)
去年話題になり、多くのサイトが言及した作品集。その中でもポトチャリポラパさんの『小坂氏の作品は「わかってほしい」ってキャラが登場し、重野氏は「わかりたい、知りたい」ってキャラが登場します』などの評が非常に印象的でした。

「オリオン街」1巻 山本ルンルン(JIVE)
朝日小学生新聞連載、だもんで中々ネットで評判になりにくい山本ルンルン先生*3。そういう漫画をここは紹介してくれます。「漫画の詳細なレビュー」と「フォローする範囲の広さ」が両立しているサイト。新しい漫画を知る際に最も信頼しているサイトです。
始めてみる人にはこちらから知りたい作品を探してみることをオススメします。


おれせん。さん
旧ブログ

はてなではb:id:FTTHの人。ここもアンテナ登録してもらってウチを見てもらっているようなんですが(ry
ネットの話題や小説など広い分野を扱っていて、漫画レビューだけではないです。はてブコメント含め、その歯に衣着せぬ物言いには傍から見ていてもハラハラすることが多々あるのですが、そういうスタンスだから生まれるのでしょうか、漫画を端的に表す印象的な言葉がバシバシ出てきて、そこに惹かれます。
ゆるめいつ

すかのユルさとkashmirの電波を4:7で混ぜて煮詰めた感じ?(判んねぇ)

ナカダシャー(成人向)

エロ漫画としてエロいので脳がエロモード入ってガードが下がったところで飛んでくるロシアンフックの恐怖、みたいな?

爆笑必至の土居坂崎作品レビュー。(レビュー紹介するのに爆笑必至はどうなのよ)
おとなになる前に(成人向)

エロ漫画って要するに「20ページ中10ページ程度はエロ描写」という縛りのある「一話完結の漫画」なので、各キャラの性格付けとか役割分担とかストーリー部分とかをその他の10ページ部分で相当程度しなきゃいけない訳なのですよ。(原則論ね)

このエロ漫画論はとても興味深かったです。で、その視点での関谷あさみ先生の巧みさを解説されています。まぁ本番はその後の文なのですが

メイド諸君! 2巻

   ∩___∩
   | ノ      ヽ/⌒) あばばばばばば
  /⌒) (゚)   (゚) | .|
 / /   ( _●_)  ミ/    ∩―−、
.(  ヽ  |∪|  /    / (゚) 、_ `ヽ
 \    ヽノ /      /  ( ●  (゚) |つ
  /      /      | /(入__ノ   ミ   あばばっあびゃばびゃばば
 |       /       、 (_/    ノ
 |  /\ \       \___ ノ゙ ─ー
 | /    )  )       \       _
 ∪    (  \        \     \
       \_)

ここだけ切り取っても何のことか分からないでしょうが。
きづき先生の放つ猛毒。言葉にならない衝撃を言葉にしないことで表すというのが目からウロコでした。
他にも『SASAYUKi未読の人はもっと人生豊かにしろよ』など「心に残る名言」が飛び出すレビューサイトです。(なんかエロ漫画ばかり取り上げてしまって申し訳ないけどレビューの傾向はきらら系4コマが多いです)


Lエルトセヴン7 第2ステージさん
文学、音楽も言及されています。漫画評での傾向は、いわゆる「ヤンキー物」を多く取り扱います。
『クローバー』第1話 平川哲弘
漫画のジャンルの中で大きい地位を占めるヤンキー・マンガが『マーケティング的に考察されたり、あるいは批評の俎上に載せられる機会の少ないこと』に対する疑問。自分自身ヤンキー・マンガを読まない・語らない・苦手としているため、このような説得力のあるヤンキーマンガ論は今後の参考にしたいと思います。


『バレーボール使い郷田豪』第3巻 高橋一郎

ジャンプで打ち切られた漫画。作品の中の光った点を提示しながら、何故失敗したかに言及されていて、非常に納得しました。

『14R』槙ようこ
少女漫画レビューが多いのも特徴的です。槙先生の作品を愛してるぜベイベしか知らない人は自分も含め結構多いと思いますが、ここでは槙作品全般を通して槙先生の優れた点を語られています。
特定の作者に関して、その作者の作品を、多くの場合毎巻ごとにレビューされています。
1つのレビューの文字数はかなり多く、言葉も難しいです。活字を読まない自分のような人間には辛いものがあるのですが、そこにあるのは漫画に対する真摯な対話であり、漫画を語る上で自分もこうした姿勢を持ちたいと思います。


マンガソムリエ煉獄編さん
辛口な評と独自の視点が興味深いです。
例えば、少年少女漂流記のレビュー。登場人物の中2病的言動を否定しない漫画なのですが、それについてこのように書かれています。

せっかくのさぶい記憶をあえて「それでいいんだよ」なんて受け入れる必要がどこにあるのだろうか。
それって、さぶい思い出を「なかったこと」にすることと同じくらいに味気ない処理の仕方のような気がする。

中2病を否定しないことを評価したたまごまごごはんさんのレビューとは対照的で、両者の作品を見るスタンスの違いが興味深かったです。

進研ゼミの投稿みたい「サナギさん」

これ、単行本でまとめて読むと結構きついのは僕だけか?

僕はサナギさんは大好きなわけで、この意見には反対したいのですが、「何故単行本だときついのか」について説得力のある解説がされていて納得してしまいました。作品自体は評価されていますし。漫画をただ褒めるだけでは気付けなかった特徴に気付かされました。それでも僕はサナギさんが大好きなわけですけど。

半熟卵と目玉焼きを描き分ける!「孤独のグルメ」
孤独のグルメの魅力を、谷口ジロー先生の画力の面から解説。自分では考え付かなかった方向から作品の魅力を伝えてくれています。

作品名別でリストがあるのも非常にありがたいです。

い~かげん人間のダメダメだいあり~さん
今まで紹介したサイトと違い、多くの画像を使ってレビューされています。取り扱う漫画はほとんどがマイナー漫画。
例えば「美少女いんぱら!」。スーパージャンプで連載している4コマ漫画で、DAIさん帝国さん*4Σ無駄話が最近になって言及していますが、紙面での扱いが低くネットでの知名度もまだ低いです。こうした漫画を、い〜かげん人間のダメダメだいあり〜さんは連載開始当初から注目、毎回レビューをされています。
”美少女いんぱら!”第37話
以前こちらの記事の、『マイナー漫画を画像付で紹介することがそのジャンルの「灯台」となる』という意見に共感したのですが、自分にとってこのブログはそのマイナーな漫画を知る灯台になってます。
全周無警戒さんに良く紹介されているので今回紹介するか迷ったんですが、100位には入ってなかったので。グレースタイルさんや近代麻雀漫画生活さんなど、他があまり扱わないマイナーなジャンルを紹介するブログは今後もっと注目を集めてほしいと思います。それが漫画全体の規模の拡大に繋がると思うから。

http://manga.goraku-academics.org/mad/さん
とにかく更新量・情報量が半端じゃありません。
毎日のように出る漫画雑誌、単行本に、それぞれ情報やレビューを書く。例えば1月10日の更新は、虐殺魔法少女ベリアル☆ストロベリー1巻のレビューに、コミックバンチモーニングヤングジャンプチャンピオンは短い感想に連載作品名、作者名、連載回数を添えて更には来週の読みきりや新連載などの情報まであります。恐ろしいことに、この更新量を毎日やってるんですよ。
今連載されている漫画の情報源としても情報のインデックスとしても、漫画に興味があれば知らないのは損だと断言できます。ここを見るだけで多くの出版社の公式サイトを見るのと同等の、下手をすればそれ以上の情報を知ることが出来ます。

で、
何故僕が、更新の適当な自分の駄ブログを棚に上げてこういった、えらそうに思われるかもしれない記事を書いたのかはというのは理由があります。

(擬)たまごまごごはんふりかけを読んで
上のリンクはたまごまごごはんファンの方が作ったたまごまご愛にまみれたページです。自分もかなりたまごまごごはんリスペクトだと自負してたんだけど、上には上がいることを知ってしまいました。たまご愛では敵わなくても、自分も好きなサイトへのリスペクトを声高に叫びたいなーと思ったんで。

●ニュースサイトに紹介されるのが全てじゃないと言いたかった
なんか最近はてなの匿名ダイアリーで漫画系の大手サイトにウダウダ抜かす輩が多いんですが*5、ある意味ではそういう人こそニュースサイトに依存していると感じました。ゴルゴ31さん達が補足していないサイトでも面白い所はいくらでもあるという分かりきった事を知って欲しかったのです。
もちろん、これは別にニュースサイトの人に「ここを紹介すべき」と提案しているわけではありません。個人的には紹介して欲しいと思いますが、各ニュースサイトにはもちろんそれぞれの管理人の方のスタンスがありますからね。
まぁ僕ごときが言及するまでも無くニュースサイトとは違う方面で知られているサイトでしょうし、下手したら上から目線と思われるかもしれない非常に失礼なエントリーなんですが、ニュースサイトに依存している層(ニュースサイトが紹介する記事しか見ないライトユーザー)にも知ってもらいたいと思い書いたのでご容赦していただきたいです。

●漫画レビューサイトには色々なスタンスがあるというのを知って欲しかったから
最近「レビューサイトはこうあるべきだ」見たいな話が続いているんですが、サイトってもっと多様であるべきだと思うんですよ。今回紹介したサイトは、その扱うジャンルからスタンスまで多種多様であり、こうあるべきというのは一概に言えないと思います。特に最近見た、「レビューは褒めるべき」というの意見に対して。辛口だからこそ漫画が見えるということもあると思います。

ゴルゴ31をネタにすればゴルゴ31に取り上げられるんじゃね?

他にも色々漫画レビューサイトを知りたい人は、漫画レビューサイトリンク集: 全周無警戒を参考にどうぞ。こちらに数多くのレビューサイトが紹介されています。
最後に、言及したサイトの皆さん、言いたい放題いって申し訳ありません。

*1:特にゴルゴ31さん周辺

*2:紹介したいんだけどさ、身内びいきになっちゃうかもなので。

*3:現在は同誌で「宇宙の白鳥」など連載

*4:去年の冬コミのゴルカムにて

*5:アホらしいんでリンクは張らない