褒めてばかりの読書感想サイトと、健気な美少女作家のこと - WINDBIRDを読んで

以前たまごまごさんが「サナギさんは百合が良いね」と言ったらいのけんさんが「施川先生は百合なんて狙ってないでしょ」と返しました。はそれに「狙ってないと思うけどそういう視点も面白くて良いよね」という玉虫色の反応をしました。
施川先生が狙っているかどうかは置いといて、「作者が意図して無いものを楽しむ」というのは読者の自由。そこに作者の思惑なんて関係ないと思うんですよ。読者は身勝手に楽しむ権利があるはず。作品への批判はまた違う話で、批判するからには「批判に対する批判」は受け入れなければいけませんが、楽しんでいるのに文句を言われるいわれは無いと思います。
いのけんさんは作者の意図と違うと指摘しただけで、作者の意図と違う楽しみ方自体を否定したわけじゃないですよね。あくまで「一読者」として、「一読者」への見方に対して意見を言ったわけで。施川先生がもし「サナギさんは百合じゃない」といっても、百合だと思う人には百合なんですよ。

リンク先で例にされたテニプリの話を。元々自分はテニプリが好きじゃなかったんですが、数々のテニプリ・ツッコミレビューサイトを読むことで「ギャグとしての楽しみ」を知りました。スポーツ漫画として評価する動きもあり、そうした面からツッコミばかりが目立つネットレビューの傾向に対し苦言を呈する事もあります。それでも、スポーツ漫画として評価しようとしない僕のような読者が、ギャグという見方だとしても、その作品を好きになるというのは作品にとってプラスだと思います。

例えば自分はヤングサンデーのとめはねっ!という作品を、「高嶺の花に恋してしまった地味男の辛い恋愛劇」という視点で読んでいます。これを作者が意図してなくても自分にとってとめはねっ!はそういう漫画であり、「書道漫画として評価しろよ」と言われても関係ありません。

あと、自分は門外漢なので良く分かりませんが、同人誌などの二次創作を楽しむ人にとって作品は作者の意図するもの以外でも楽しむのは常識になっている気がします。