読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

シュリンクとか

シュリンクに関する個人的意見 - 漫画(ry跡地にたくさんの意見をいただきました。特に、書店員の方からいただいた意見をまとめさせてもらいました。

シュリンクをしないと本が傷む
これは書店員の方から多くいただいた意見。
自分の考えとしては「シュリンクのない本を傷つけるのは子供(小学生以下)だけだろうから、子供のあまり読なそうな本はシュリンク外してもいいんじゃないか」と思っていたのですが、マナーの悪い客は自分が思った以上に多いようでした。

見本の傷み具合ですが、そりゃあ酷いモンです。数日で帯がなくなり、数週で数ページなくなり、数ヶ月で本でなくなります。

(前回のコメ欄より、id:tisphoneさん)
ここまで酷いというのは、自分の認識不足でした。
漫画以外の本はシュリンクをかけられないのは何故でしょうか。「漫画は活字本より立ち読みされやすい」「簡素な作りなので傷がつきやすい」という理由が考えられます。後者は文庫本にも当てはまるけど、文庫は大概シュリンク無しですし。
また客の立場でも、良い状態の本が欲しいからシュリンクがあるほうが良い、シュリンクが無いと困るという意見がありました。
考えられる対策として、1人1人がマナーを守ること。じゃあそのマナーを守るためにどうすればいいかって言う問題。
また、出版社が書店に配る見本の小冊子(1話だけ収録されているもの)がありますが、これは客・書店員両方に評判が良いみたいです。コストの問題もあるでしょうが、大手だけでなく中小出版社にもこの取り組みを積極的に行って欲しいと思います。現状では大手の代表作が少し読めるだけ。読者の側からすればもっと作品に触れたいのです。理想として、商品の並ぶ本棚に見本の小冊子が何冊か普通に並んでいる位になって欲しいと思います。


■立ち読み客がたまると他の客の迷惑

別のお客様がマンガを見たいと思っても、立ち読み客がいたら見られない、という事態がある。もっといえば、通路を多めに取ってあるとはいえ、立ち読みの客がいれば、通り辛くなる。うちの店だと邪魔にならないところにだけ試し読みを置いているので何とかなっているが、仮に一巻は全て試し読み可ということになれば、通路に人が溢れることは必至である。それはブックオフを見れば分かるだろう。

ロリータハッピーウィングな日々さんより)

立ち読みすることで他の客の迷惑になる、という指摘。これも書店員と客両方の立場からいただいた意見。
自分の考えでは、立ち読み客が場所をとるリスクよりも立ち読みによる集客の利益の方が大きいのではないかと思ってます。ブックオフでのバイト経験があるので、立ち読みによる集客力の高さ、立ち読み客が他の商品も見てくれるケースを実感しています。ただ、立ち読み客のせいで商品が取れないという不満をお客さんから聞くのも事実。もっともブックオフと新刊書店を比べることは出来ませんが。
これに関しては、店の広さと客数に関わってくるものになると思います。また、実際にあった本屋の例で、「長時間の立ち読みはご遠慮ください」という張り紙のある店がありました。店がすいている時は何も言われませんが、店が少しでも混んでいる長い時間いる客に止めるように言う、こうすることで混み過ぎないように調節されていました。試し読みのための立ち読みなら少し読めばいいはずで、それなら書店もあまり混雑しないはずです。
立ち読みは、商品の破損や混雑などの目に見えるデメリットに比べ、メリットは客の心象によるものだから見えにくいです。僕を含め、シュリンク否定派は肯定派の人が納得できるような数字を見せる必要があると感じています。

■新刊より雑誌を読めるようにすべき
これは自分も考えていたことなので、話は若干ズレてしまいますがここで色々。
まず、単純に雑誌の売り上げを考えたら雑誌は閉じた方が良いです。読み捨てであるという雑誌の特性と短時間で全て読めてしまう漫画の特性から、雑誌は「立ち読みできれば用無し」となり売り上げが下がります*1
ただ、雑誌には「連載作品の宣伝」という面もあります。立ち読みできない雑誌の作品は、その雑誌を買う一部の読者の中のそれのファンというごくごく一部にしか受け入れられません。その一部に確実に買ってもらうために本を縛るか、開放して読者層の拡大を狙うか。先を考えると後者のほうが有効ではないでしょうか。
世の中は面白い漫画に溢れているのに、それを消費者が知る術が乏しい。その点を、もっとマイナー雑誌関係者の全ての方に知ってもらいたい。雑誌の売り上げは確実に落ちるけど、今後の読者層の拡大に繋がると書店を説得して欲しい。
ヤフーコミックやコミックSEEDなど、無料で読める漫画。アクションや近代麻雀など、雑誌連載のものがネットでも配信される。こういった、雑誌で利益をとらず単行本での収益を目指す流れは今後もっと加速すると思います。広いジャンルを読む身としてそれに期待しています。
ただこの話は、雑誌の売り上げの減少という露骨な不利益が書店に被る話だったので、ここで扱うのは不適切かもしれません。ただの持論と読み流してください。


■出版社への配慮

コミックはほぼ「委託」なので、入荷した本は、ウチの店のものじゃないことになってます。
見本にする=本が傷む=返品決定になってしまううえに、痛んでいる以上
他の店に再出荷するわけにもいかず、見本になったコミックは結局、廃棄になってしまいます。
うちの売り上げをあげるために、たとえ1冊でも出版社にロスを押し付けるのは
倫理的にいかがなもんかなあ、と。

(前回のコメント欄より)

シュリンクをかけるのはお客様のためだけでなく、出版社に対してのものでもあるのだ。

(ロリータハッピーウィングな日々さんより)

これに関しては、自分の委託販売制度への理解不足。出版社が絡む問題のため、書店にのみ訴えるだけでは意味が無い事が分かりました。

出版業における委託販売ウィキペディア、委託販売より)


■防犯目的
シュリンクをつけることで、スリップを抜いて万引きされる(見つかってもシュリンクが無いから「家から持ってきた」と言い逃れされる)ということを防ぐ効果もあるようです。そういった点でもシュリンクは書店に無くてはならない存在になっているんですね。


客には分からない書店員さんの事情が分かり、自分にとってとても有意義なものになりました。自分自身理解不足ですが、これを読んだ人に書店の事情の一部が分かってもらえたら幸いです。
ただ、それでもシュリンクに疑問を持つ客がいることを、書店員の方にも分かっていただきたいと思います。最後に、立ち読み推進派の急先鋒、toldo13氏の言葉で締めさせて頂きたいと思います。

漫画読み・・・つまりここでは大人たちのことですが、どうしてシュリンクありでも買っているか。
多分ではありますが、ネットでの情報収集、雑誌購入、友人からオススメしてもらって買っているんでしょう。
しかし、子供のように購買雑誌が少なく、購入費も少ないような人はどうすればいいんでしょうか?
どうやって面白い漫画に出合えばいいんでしょうか?
周りの友達が漫画読みでもないのに誰が教えてくれるんでしょうか?



今の漫画読みたちは確実に立ち読みから育っていると思います。
つまり漫画読みができあがる環境ができていたわけです。
しかし、今の子供達にはそれがない。
シュリンクという存在が漫画読みの育成を妨げていると言っても過言ではありません。
立ち読みの中で好きな漫画に出会い、購入して大切に保管するという行為ができません。
漫画を読むことの楽しさを一つ奪われ、ネットや携帯小説、テレビゲームへと流れるのは当然でしょう。
こうなると漫画業界自体が育ちません。
むしろこっちの方が問題だと思うのは俺だけでしょうか。

Σ無駄話さんより)

*1:そのため前回は「先月号の雑誌の開放」という良く分からない折衷案を出しました