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なんだかわからんがとにかくオススメ 乙女ウイルス 3巻

乙女ウイルス 3 (IKKI COMICS)

乙女ウイルス 3 (IKKI COMICS)

IKKIで連載してて最終巻。
珍しく漫画をジャケ買して、結構気に入った1・2巻。
3巻で一気にハマりました。正確には3巻収録分の雑誌連載を読んで。
テンションが凄い。単純にテンションの「高さ」「激しさ」が凄いわけではない*1と思うんですが、じゃあなにが凄いのかと言うと、自分でもよく分かりません。


基本は1話簡潔のギャグ漫画。雰囲気は話によって結構変わることも。同じ話でも変化が激しいです。この「変化の激しさ」が特長の1つ。特に顕著だったのは、エピソード20「実家と書いてミカと読む」。
実家から毎日3時間かけて大学に通う女の子、ミカの話。
最初はいきなり4コマからスタート。絵柄もポップな感じ*2
で、普通の4コマ漫画として話が進んでいきますが、ミカが叫びだすのをきっかけに4コマの体裁から大ゴマで歌い踊るミュージカル風に突如切り替わります。その後も4コマ→ミュージカル→4コマ…と目まぐるしく変わります。
えー、自分がギャグ漫画を紹介するのが苦手な理由に、自分のギャグのツボが人と通じるか分かんないって所があるんですが、僕はこの回が酷くツボに入ったというかむしろ衝撃的でした。絵柄や展開を自在に変えるかなり冒険をした内容で作家の味を存分に発揮した、特に秀逸な回だと思います。いかにもファミリー向け4コマな「ちょっと変な女の子」から「明らかに異常な女の子」のコントラストっつうか…自分でも良く分かりません。


あと、最終話の「乙女無間地獄」。
作中で何回か登場した、30過ぎても処女の漫画家・外丸味海苔(みのり)。漫画内キャラの漫画家というのは作者にも読者にも特別な意味がある(少なくとも読者はそのキャラにその作者像を感じる)ものだと思いますが、このキャラがまた強烈。一言で言えば、「処女をこじらせた」と言いましょうか。
「童貞をこじらせた」ってキャラは数多くあります。小田原ドラゴン先生などはその手のキャラを出すことを得意にしています。ただ、この「処女をこじらせた」タイプのキャラってのは自分にはとって衝撃的でした。
恋愛(が上手くいかない様)をギャグにするキャラは女性キャラにも多くいますが、イマイチ「かっこ良さ」の枠を振り払えていないんですよね。女性漫画家が描く女性キャラだと、「憧れ」や「共感」が必須なのでしょうか。なんだかんだ言ってシゲタカヨコはかっこいい女性なのですよ。
味海苔は、そういった自分の女性ギャグ漫画家への固定観念をぶっ飛ばした「徹底的に恋愛劣等生」なキャラでした。ここまで酷いキャラを、「漫画家」という職業をつけて良く描いた、素晴らしいことだと思います。
処女漫画家味海苔が想像力だけで描いたエッチシーンは、これだけで買う価値があるんじゃないかと思えるほどにファンタスティック。見開き1ページに詰まった熱量の凄まじさにクラクラしてしまいます。


オビを書いているのがジョージ朝倉先生ってのが感慨深いです。かつて朝倉先生が世に放ち、そして玉砕した*3漫画、カラオケバカ一代。これのイメージが強く残っている者にとって、その後の繊細な作品は「何キレイな漫画描いてるんだ」と無責任な不満を抱いてしまいます。作品の拙さを勢いで補って余りあるエネルギー。ギャグ漫画好きとしては今後を期待したくなる作家なのですが、非ギャグでの活躍が光っているのが寂しいです。



ギャグ偏食の自分としては、キャリアを経る度にストーリ路線に走る女性ギャグ作家への信頼は薄いのですが、ギャグで突っ走ってくれる漫画家として鈴菌先生には期待したいです。ぶっちゃけ純愛路線は合ってないので変態ワールドで突き進んでください。
あとIKKIでの新連載期待。

*1:他のハイテンション系ギャグ漫画に比べれば

*2:「ポップ」の意味良くわかんないんでフィーリングで掴んで下さい。

*3:『とんでもない破壊力を秘めながら、何か大事なモノをなくして突っ走った初単行本の「カラオケバカ一代」は、少女漫画を超越した莫迦っぷりな内容に即絶版』(http://www.mangaoh.co.jp/topic/asakura.phpより