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ウェブと商業誌の違い みそララ 1巻

「ヘッポコロジーの人」「となりのネネコさんの人」と言ったら結構通じるでしょうか。宮原るり先生のフルカラー4コマ漫画、みそララ

みそララ 1 (まんがタイムコミックス)

みそララ 1 (まんがタイムコミックス)

まんがタイム連載。扱いの大きさから看板漫画の1つといっても間違いないでしょう。
作品に関しては、2007-10-06 - dominoの編集後記【オススメ】 宮原るり/みそララ | マンガ一巻読破仕事への前向きな姿勢と百合な雰囲気が良い4コマ - みそララ(1) - 真・業魔殿書庫まとう空気はソフト百合、今最高にオススメな4コマ漫画、『みそララ』1巻 DAIさん帝国/ウェブリブログを参考にしてください。
みそララ読んで、「4コマ漫画雑誌の看板っぽい漫画だ」と感じました。作品が高水準で面白いってのと、何よりネネコさんに比べてずっと読み易いと感じました。
4コマの良さの1つに、「簡素さ」があると思います。普通の漫画だったらもっと大きなボリュームで語られるようなエピソードをストイックなまでにそぎ落として簡潔にする、そういう様式美、って言ったら大げさでしょうか、そういうのが4コマの特徴であり長所だと思います。
主人公がライターとしての仕事を初めて任される一連の話なんか特に印象的。主人公の苦労・周りの支え・成長と、多くのの要素が短い中に詰め込まれています。ページに換算すると週刊連載2週分。4コマでないと出来ない簡素さだと思うし、それでいて作中の雰囲気は非常にのんびりとしたもの。ここら辺の展開のスッキリっぷりはみそララに限らずある程度「上手い」ストーリー4コマ漫画なら割と備わっているのですが、みそララは特に上手く、それがネネコさんには感じられなかったものでした。
ネネコさんについて軽く説明すると、作者が自身のホームページで公開して人気を博し、単行本化、現在新書館の「ウンポコ」という雑誌に連載されている4コマ漫画。転校生のネコ顔少女「ネネコさん」が繰り広げる学園コメディです。*1
で、そのネネコさんをみそララ読んだあとに読み返すと、とっ散らかっている印象すら抱きました。実際にはネネコさんがとっ散らかっている訳ではなく、それだけみそララがスッキリした展開をしているということです。
「ヘッポコロジー」でのネネコさんは、恐らく制約の無い中で作者が自分が思い描くストーリーを思う存分描ききったと思います。
特にストーリー5*2。犬飼という生徒のエピソードをこれまで出一番長い尺で描いています。蛇足的エピソードもキッチリ。自身のホームページに掲載しているので、好きなだけ話を足すのも文字を差し込むのも自由。みそララの場合はそれが出来ないため、それがかえってストーリの引き締めに良い影響を与えているのではないでしょうか。
紙屋研究所さんの記事、小坂俊史・重野なおき『ふたりごと自由帳』は「商業的視線から解放されて」と題されて枷の無い同人誌という場で自由に描くことがプラスに働いていることを(特に小坂俊史先生に関して)言及されています。紙屋さんは両先生の商業作品をあまり読んでいないそうですが、両方読んでいる身としては両方のそれぞれの良さがあると思います。商業版の(普段の作品の)良さは「商業サイズの簡潔さ」「そのための読む際のリズム感の良さ」だと感じ、それがそのままネネコさんとみそララの印象の差にも当てはまるのではないでしょうか。
…そんなこと書いといてヘッポコロジー見返すと、ストーリー5もページに換算すると50ページちょっと。簡潔やん。自分で言っといて矛盾?ここら辺読んだ印象のみで書いている部分も多く根拠はイマイチ脆弱です。あとウンポコ連載分のネネコさんはノーチェックなのでそれがウェブ版とどう違うかも気になります。
何が言いたいかというと、自由であることが必ずしも良いのではなく、制約があるからこそ光るものがあるということ。4コマ漫画自体も制約があるからこその魅力がありますし。恐らく宮原先生は、自身のホームページで描いていた時よりも様々な制約の元苦労したと思いますが*3、それが良い方向に実を結んでいると思います。
オススメの漫画。僕の記事だけではどんな漫画かはこの文読んだだけだともしかしたらありきたりな漫画だと勘違いしてしまうかもしれないので、上の他のサイトの記事も読んでもらうとありがたいです。
ヘッポコロジー←いわずとしれた宮原先生のサイト。ネネコさんなど色々読めます。

*1:この説明は大分いいかげんなので気になる方はヘッポコロジーで実際読んでみてください。

*2:ヘッポコロジー参考

*3:あとがきの、「棚橋さんの出番がいつもネームで削られる」話からも感じられます