女性優位の文化系社会の中で特に何も叫ばなかったガチャピン とめはねっ! 2巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ! 鈴里高校書道部 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

ヤングサンデー連載。連載はやや不定期ガチで5ヶ月ぶりの単行本。面白いから不満は全くなし。待ち遠しかったです。
表紙が秀逸(まだAmazonに画像無いけど)。現在「ガチャピン界」をカントク(でろでろ)と共にリードする男、大江縁。この情けなく申し訳なさそうな表情・ポーズが、そのまま彼の部での立ち位置を表しています。縁がどんなキャラかってのは過去記事に書いてるので良かったら参考にどうぞ。
1巻の時の感想では、体育会系の活発な女の子に恋をしてしまった文科系地味男子の気苦労に心を打たれました。2巻も更に見せてくれました。読むも涙のガチャピンチャレンジシリーズ。
・他校の書道部に絡まれた鈴里高校書道部たち。勝負バカ・望月結希(ユカリの想い人)は勝算も無く勝負を受ける。そんで自分の大ポカで鈴高大ピンチ。そんなピンチを見事な機転で救ったのがユカリ。望月に良いとこ見せられたかな、と思う暇も無く望月「これで勝ったと思わないでね。」…望月、お前いい加減にしろよ。
・望月の「想い出のラブレター」を守るのに一役買ったユカリ。珍しく望月に素直にお礼を言われるユカリ。ただそれは、望月が過去の淡い恋を今でも大事にしている何よりの証明。皮肉な形である。
高校生クイズに見立てた野外パフォーマンスを行う鈴高一同。望月が○、ユカリが×を大きく書き、そこに飛び込む○×クイズをする。ユカリは望月の書いた「キレイな○」を破くことを戸惑い、自分の書いた×に飛び込む。こういうユカリの隠れた、あまりにも地味な想いにも、望月は全く気付かない。
上級生にはいい様にコキ使われ、好きな子は自分に眼中なし。ここまで「この男の恋が実って欲しい」と思えるキャラが他にいるだろうか?頑張れ!頑張れガチャピン男!!
常に癒されることの無さそうなユカリですが、祖母の存在にに安心させられました。厳格な祖母というイメージがあったのですが、ユカリを心配する優しいおばあちゃん。とめはねっ!に貴重な癒し系女性がまた1人。
家族といえば、離婚して今は別々に暮らしているユカリの母がどのような人物なのかが気になります。ユカリの母の人物像から書道での母という字の形を出すという演出は見事でした。今後出てくることがあるでしょか。父親?誰それ?おいしいの?
今巻も野外パフォーマンスなどの面白い要素がたくさんあったとめはねっ!ですが、僕はこれからも「ユカリの恋」に焦点を絞って応援していきたいと思います。
感想リンク
とめはねっ! 2巻 - どらまん。
この漫画の実写化は確かに面白そうだと思うので、期待しています。
河合克敏『とめはねっ!』2巻 - 枳棘庵漫画文庫