下から読んでもよんかんよ スケッチブック4巻

スケッチブック(4) (BLADE COMICS)

スケッチブック(4) (BLADE COMICS)

4巻の感想というより、作品全体の紹介な感じ。
アニメ放送前になんとしても書きたかった、スケッチブック。ブレイド創刊時から巻末を支え続けた良4コマ漫画です。
主人公梶原空は、非常におっとりとした性格。彼女が入部した高校の美術部を中心に物語は展開します。基本的に登場人物は変わり者で、それぞれの個性の出た突拍子の無い行動ってのが面白いんですが、その中でも空は主人公だけあって「作品の基本方針」を示していると思います。
空は無口です。その分いつも何かしら考えています。日常にあるものを理解しようとしているのですが、それはどこか感覚的で、時折適当で、「物事を鋭く深く哲学的に認識」しようという施川ユウキキャラのそれとはまた違う観察眼を持っています。その根底にあるのは「やさしい目線」。空を通して、作品全体にもそれは貫かれています。ブレイド作品は、一部しか目を通してないのですが、こういった優しい気持ちに溢れてる作品が良く目に付くと感じます。
一方で場を引っ掻き回す代表が田辺涼氷室風の涼風コンビ。この2人は毎回何かして周りを巻き込んだり巻き込まなかったりします。その被害を一番受けるのが部で一番真面目な鳥飼葉月。ゴーイングマイウェイな先輩コンビに毎回固まってしまいます。
こういう風に、個性の強いキャラが入るだけでなくキャラ同士の関係性の描き方も魅力の1つ。例えば短気な根岸は、イタズラ者でテキトー者の神谷が苦手で、でもなんだかんだで仲良さそうだったり。キャラ1人1人の特性は結構カブってて、最初読む時どのキャラが何なのか分からなくなったりしますが、読み深めるうちにキャラの関係性も楽しめる作品です。ここら辺アニメでは分かりやすく描いてくれると期待。
濃い面々の中、最初は準主役ポジションから今は空気の麻生さんが不憫です。初期の頃は「♪鍵閉〜めた〜っ」など「主人公と仲のいいボケキャラ」として光り輝いていたのに、今じゃケイト(インチキ帰国子女)の子守。周りの奇人変人ぶりを引き立たす役になってしまった普通の子の悲劇。アニメではどれだけ光が当たるのでしょうか。ガンバレ麻生さん。大庭先輩よりはマシだ。
ここまで書いて何が言たいかと言うと、栗原先輩が一番可愛い。異論は認めない。