まぁタイトルの通りです。同じタイミングで注目な短編集が発売されましたので一緒に紹介。最初は石黒先生。
「それでも町は廻っている」「ネムルバカ」連載中の石黒正数先生の短編集、「Present for me〜石黒正数短編作品集〜」がそれ町3巻と同時に発売されました。
Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)
- 作者: 石黒正数
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2007/08/03
- メディア: コミック
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■ススメサイキック少年団(コミックフラッパー2003年1月号)
事故のため小さな無人島に残された3人のサイキッカー。切迫した状況なのにのんびりとした空気が流れているのが面白く、締めのオチには爆笑。オチに持っていくまでと、そこからの余韻が本当に見事。比べちゃ悪いけれど、ここら辺の漫画の上手さは後で感想を書いている大亜門先生の短編集を見比べると差が歴然としていると感じました。
■なげなわマン(コミックフラッパー2003年12月号)
僕はこういうくっだらないのが大好きです。この巻の中で一番好き。これ如に、じゃねえよw
■カウントダウン(コミックフラッパー2002年10月号)
人類滅亡をテーマにしたショートフィルムを製作することにした高校の放送部、その打ち合わせの風景。場面場面の描写がユーモラス。石黒先生はこういう若者の描写が上手いと感じます。「宇宙人襲来なんて安直な話―佳作にもなりゃしねーぞバカヤロー!!」いやいや、まだやりようによっては全然いける題材ですね。
■バーバラ(コミックフラッパー2002年10月号)
石黒先生はブサイクを描くのがまた上手い。それ町の針原さんは愛嬌があるし。3巻での紺先輩に騙されてドラムを練習する所なんて微笑ましかったです。
この話のバーバラという娘なんですけど、一人前の魔女になるため一年間人間の世界で修行するために主人公宅に来たという設定。顔はブサイク、性格はワガママ、使い魔は凶暴といいとこなしなのですが、一緒に住んでいたためか愛着が出てきた主人公。ふとしたバーバラの仕草にドキっとするのですが、この図のバーバラの絶妙なバランスが見事。すっごいブサイクなんだけど、主人公が思わずドキっとしてしまうギリギリの説得力がありました。
■泰造のヘルメット(未発表作)
これもまた頭の悪い(褒め言葉)ネタでした。「俺はそういうネタ好きっス!!」
作者コメントのやる気のなさから、あまりお気に入りじゃないことがうかがえます。まぁ、わかる気がする。
■ヒーロー(アフタヌーンシーズン増刊NO.5)
デビュー作らしい勢いを感じました。ピエロ怪人が仮面を外してからのシーンで、顔が崩れたりデフォルメが効いたり雑な集中船になったりしたところなんて特に。
悪がいなくなったヒーローの悲しみ、っていうのは良く描かれる題材だけど、主人公の立場が自分とシンクロされて、作者のあとがきもあいまって染みてきます
■Present for me(コミックフラッパー2003年5月号)
コミカルな漫画が多いこの作品集の中で一際印象深かったこの話。コメディの部分を強調した今回の記事ではあまり色々書きたくないので止めておきます。ただ他の作品とは明らかに異なる毛色の作品でした。読んだ後で改めて表紙を見返すと、静かな美しさが存分に感じられました。