聖乙女学園血風録1巻 

待望の1巻。小野寺浩二先生の「女子高漫画に初挑戦」。聖乙女学園血風録

真の乙女の育成を目的とした聖乙女学園を舞台に、乙女達が乙女の中の乙女「十六夜乙女」を目指して奮闘するお話。「乙女」という言葉は今までの小野寺先生の漫画の「漢」に置き換えられます。この漫画は小野寺先生の新境地ではなく今までの路線を引き継いだものと言えると思います。い〜かげん人間のダメダメだいあり〜さんによると、

小野寺氏のマンガといえば、萌えと熱血とキ○ガイと度を越した変態と漢汁とメガネっ娘と…

…な訳ですが、このマンガは小野寺氏の集大成と言ってもいいかもしれません。

「集大成」ということで、今まで小野寺先生の漫画が好きだった人には間違いなくオススメできる漫画です。

今までとノリは一緒でも、ギャグの破壊力はそれ以上。特有の暑苦しさを女の子がやるっていうギャップで面白いってのもあるかもしれませんが、それと関係なく暑苦しさ自体が更に激しくなっているからだと思います。

とにかくテンションが高い。

例えば第1話。男性教員にパンツを見られた主人公が「こいつを殺して 私も死ぬ!!」と襲いかかり、それを止めた女生徒が「見られて大騒ぎするほどのモノ?」と至極真っ当なツッコミを入れたら今度はこの女生徒のパンツをめくろうと襲いかかり、バトル発生。

パンツ見せまいと同じ回転。同じ回転?意味がワカラン…
パンツ1つでこの騒ぎ。ここまで開始12ページです。
以前もこの漫画紹介したんですが、ほとんどを第1話の紹介に費やしてしまいました。それほど濃厚。作品全体に惜しみなく詰められたテンションの高さ、暑苦しさ。第1話だけが濃いのではなく、すべての話が濃密です。
例えば第4話。正しいテーブルマナーを学ぶ学園長の特別授業。それに挑む主人公小鳥遊ことりはテンション全開。
さぁ来いどんな料理であろうと
マナー全開で迎え撃つ!!

全開なのはテンションではなくマナーでしたか。明らかに狂った言葉使い、表情、ポーズ。マナーの授業とは思えないです。
出されたお題はカレーうどん。以下モブの生徒たちのリアクション。
と 飛び散るわぁ〜〜っ
洗っても洗っても落ちない魔のカレー汁が!!
乙女の鬼門 カレーうどんよー!!
しかもあの娘前フリのように上着ぬいじゃってるわ!!
ひいいいいっ純白の衣を黄金色の水玉がいろどってしまうわー!!
逃げてことりちゃ〜ん

セリフが完全にバトル漫画。カレーうどん1つにここまで騒げるのは聖乙女学園の生徒と今週のゴラク柳沢きみお先生だけだと思います。
カレーうどんを見てガクガクブルブルのことりちゃん、意を決してカレーうどんに向かいます。とりあえず食べながら考える!!ってノープランかい。

なんなんだこのリアクションは!
第4話も冒頭にややエキセントリックな普段の学園生活を描き、テーブルマナーの授業では少し落ち着き、ことりがカレーうどんに挑む所で急激にテンションが高まり、実際に食べるシーン(必見!)で最高潮を迎え、学園長がオトす一連の流れの中で息つく暇のない驚愕の展開。こんな話が7話も詰まっております。一気に読んだら体壊れそうです。
生徒も教師も変質者も皆やたら熱い!熱烈にオススメ。
暑苦しい面子の中で、ナガティブ自虐メイド千鳥ヶ渕早苗がいいアクセント。

い~かげん人間のダメダメだいあり~ ”聖乙女学園血風録”1巻