クリス先輩になら抱かれてもいい

球漫画は数あれど、現在連載中で最も面白いのはこれだと言えると思います。週刊少年マガジン連載、ダイヤのA。

ダイヤのA(5) (講談社コミックス)

ダイヤのA(5) (講談社コミックス)

『第35話/あの背番号に…』
沢村が1球を投げる、ただそれだけの回。その1球の凄さ。視覚的にも豪快なフォームから投げられた速球は迫力があるし右手で壁を作る所を強調することで沢村のピッチャーとしての技術の上昇が見事に表されているのですが、それ以上にクリス先輩との絆、ピッチャーとしての心の成長が描かれていました。
俺はクリス先輩に
少しでも成長した姿を見せることができたんだろうか・・・

クリス先輩の存在の大きさといったら!グラサン霞みますよ
3〜5巻のクリス・沢村の師弟関係はそれ自体も素晴らしいんですが、クリス先輩が沢村に「マウンドに立つことで背負うもの」を教えたことがまた良い。マウンドに立つことは試合に出れない人を含めた選手1人1人の想いを背負うことと。スポーツ漫画で省かれがちな、表舞台に立てなかった者の姿まで描いたことが「エースの重み」を一際印象付けます。ここまで描いてくれているのはオレンジくらいしか思い浮かびません。
「お山の大将、俺1人」的エースよりも、チームの意思を背負うエースの方が熱くなります。また、沢村のライバル降谷がイマイチ仲間の和に入っていけないクールな性格な所に「お前はそれでいい」と御幸先輩がアドバイスしたことが、沢村との差を明確に出していてこれもまた良い。