露骨な下ネタはいつもより少なめ ドージンワーク３巻

田中圭一で補充するはずだった下ネタ分は、これで補います。でも新刊は下ネタは少なめで、同人誌製作に関するネタの割合が増えてきたように感じます。ドージンワーク３巻。

ドージンワーク (3) (まんがタイムKRコミックス)

まんがタイムきらら、まんがタイムきららキャラット連載。
同人誌を売れば儲かると思った長菜なじみが同人誌の世界に入っていくというお話。
初っ端から「私は主に陵辱系」と聞かれてもいないのにエロ同人を描いていることをカミングアウトした、「りょーじょく魔女つゆりん」こと露理が１人この漫画の下ネタ分を高めます。彼女だけは明らかに狙って下品な発言を繰り返し、他のキャラを巻き込みます。他人の迷惑やトラブルを好むタチの悪い性格で、３巻後半でなじみがしでかした事件も、傍から見てて心から楽しむだけで止めようとはしません。他のキャラも変態なんですけど、ズレてるというか天然というか、シモい言動に特に意識をしていません。主要人物(主人公？)ジャスティス(本名)なんか正に「自覚してない変態」で、やることなすこと全てぶっちゃけキモい。そこに妙な紳士的態度が加わり微妙なバランスでなりたっています。たまにバランス崩して小学生を押し倒したりしますが。
３巻の、特に中盤以降にに下ネタ分が少なかったのは、なじみが描いていたのがエロでない同人誌だったからでしょう。その分「同人誌を作る」ことに関するネタが多く、その辺の面白みがありました。原稿が進まず海に遊びに行ったり、ライバル同士が目くそ鼻くそな意地の張り合いをしたり、前回完売したからって調子に乗って一気に大量の数再版したり。ここら辺は同人やってる人だったらもっと楽しめると思いますが、知らなくても十分楽しめます。同人をやっている作者だからこそのリアルさがあると感じました。実際リアルかどうか走りませんが。
萌え４コマが以前は苦手だったのですが、この漫画をきっかけに好きになりました。下ネタが好きなので、そういうネタしなさそうな絵柄でそれを出してくるギャップが良かったというのがありました。また、萌え４コマって女性キャラばかりが強いというイメージだったのに男性キャラも存在感がある所も好きになった点の１つです。星兄弟のキモさがまた話を変な方向に持っていきます。ジャスティス同様、ストーリ自体も変なバランス感覚でドン引きされそうでされないギリギリの所を突いていそうで完全にアウトな出来上がり。同人がネタである以上に、この変なキャラがいっぱい出てくる展開は万人にはオススメ出来ないものですね。
絵柄からして妙な印象を与える漫画。まだこなれてない印象の１巻は当然だとしても、絵が大分落ち着いた感じになっても絵から感じられる違和感とインパクトが何故だか強く感じられます。絵を描かない人間なのでそう感じる理由が良く分からないのですが、絵に異様なほど躍動感が感じられず、そのため１コマの１つの絵としての印象が強くなっている気がします。同じような印象を持つ漫画家に、動物のお医者さんの佐々木倫子先生がいます。全然似てない絵柄なのですが。あと男性キャラの裸にやたら筋肉が描き込まれていてその嫌さがまた素敵です。
真っ当な人間がいない中、唯一真人間な小学生、ソーラには赤松健先生もお気に入りです。やっぱり成功する人間はたとえ美人の妻がいようと貪欲なんだなと思いました。