マテリアル・パズル 18巻 土塚理弘 月刊少年ガンガン連載

マテリアル・パズル 18 (ガンガンコミックス)

マテリアル・パズル 18 (ガンガンコミックス)

もしかしたら「バンブーブレードの原作者の方」と言ったほうがピンと来るかも知れない土塚理弘先生の、魔法使い達の闘いを描くファンタジー漫画。18巻の見所は1年以上続いた「メモリア魔法陣」というトーナメント戦の決着。1対1対1という変わった方式、意外なキャラの勝利、そして決勝は魔法使いでもない少年「ミカゼ」と主人公達と敵対する「女神の三十指」の中でも一番存在感の無かった「チョー」。やたら腰が低い、バーコードハゲ、中年太りのオッサンと「目立たない主人公」ミカゼの決勝は誰もが虚を突かれました。読者の予想を裏切るのが実に土塚先生らしいです。オッサンのセリフがまた闘いを盛り上げます。
魔法使い達による禁断魔法を手に入れるための闘い・・・その末路が―・・・
肉体と肉体・・・技と技 信念と信念のただのぶつかり合いか―
これでいい・・・これが本質―!!

チョーの怨念めいた願い。ミカゼのこれまでの闘いでの成長。正直オッサンとキツネにここまで心踊るとは思いませんでした。単行本のあとがきにはメモリア魔法陣に対する作者の解説がびっしり。「描きたい物を描いた」というのが伝わってきます。
魔法陣が終わったと思ったら速攻次の敵登場。以前から複線張りまくってた「切り裂き魔」コルクマリーが登場。ハイライトのように一気に、ある種強引に回収された伏線。コルクマリーの圧倒的戦力。展開がとにかく速い。ここら辺で淡白に感じてしまう面もありますが、膨大な設定を持つ物語を何とかまとめようとする作者の努力だと思います。いまだに出ていない敵もたくさん。ラスボス級1+3がまだ控え、彼らに近い実力を持つ「5本の指」も2人は登場すらしていません。この長編漫画が終わるまであとどれくらいかかるのでしょう。
月刊少年ガンガンで毎月2話掲載。ハガレンよりずっと遅く始まり、今では巻数を越えました。進展が速ければ連載間隔も短い。そのせいか月刊誌よりも週刊少年誌に近い印象です。
大事な登場人物も容赦なくいきなり殺す展開など、この先何が起こるか分からない不安と期待が楽しめる漫画。連載で読むほうが楽しめるかもです。