フルーツバスケット完結

僕が漫画馬鹿になる原点となった作品はいくつかあります。小学時代にマサルさん、中学は3×3EYES、高校時代はぴたテンと、今日最終巻が出たこの作品です。自分にとってかけがえの無い作品でした。フルーツバスケット最終23巻。

フルーツバスケット 第23巻 (花とゆめCOMICS)

フルーツバスケット 第23巻 (花とゆめCOMICS)

クラスメイトの草摩由希の家に居候することになった本田透。彼女はまた、十二支の物の怪に憑かれているという草摩家の秘密を知る。
十二支に憑かれた人間が、その「呪い」のせいでそれぞれ心に傷を持っていて、透と接することによりその傷が癒されていく様が印象的でした。その傷は、皆重く深いものなのですが、彼女の無償の愛とでも言うべき優しさがトラウマと立ち向かう力になっていくんですよね。傷自体を癒すわけではなく、最後は自分で決着をつけなければいけない。それでもそれを見守ってくれる本田透の存在はとても大きいものでした。それは草摩に限らず、友人などの周りの人たちにも影響を与えました。
普段はこういった重さとは対照的なコミカルな話が多いです。こちらの面も実に面白い。本田透の天然ぶりや愚直さは笑いを誘い、十二支たちの心の傷を癒す母性とあいまって実に愛らしく写りますコメディ部分で1番好きなのは由希の兄、綾女。とにかく強い人です。他の十二支が自分の弱さに打ちのめされている中、この人は1人自分の道を突き進んでいるのでした。他人の目を気にしない唯我独尊な性格で、その言動は突拍子の無いものばかり。高校時代の生徒会長エピソードは爆笑ですよ。誰だよカンドラ様って。
自分が強い人間のため、他人の弱さを分からず人を傷つけてしまった過去を悔やむ綾女。そんな彼だからこそ由希の「弱さ」を「優しさ」と言うことが出来たんでしょうね。彼の弟溺愛っプリも面白かったです。由希の進路相談の場面で、母親が自分の意思を無視して一方的に話を進め、暗く沈んでしまう由希。暗い空気の中に突如綾女が登場し、場の空気を一気に変えてしまいます。綾女はホント最強だよなぁ。
物語が進む中で一番衝撃的だったのは慊人のアレでしょう。
普段からあまりネタバレ気にせず書いてますが、物語の大きなポイントなので17巻以降を読んでいない人で今後読む気がある人は注意してください。


























慊人が女だったってことは驚きましたが、それ以上に驚いたのが紫呉の黒さでした。更に驚いたのが、女の格好の慊人の違和感でした。もう全然可愛くないの。いつまでたっても可愛くならない。ひばり君の1/10、綾崎ハーマイオニーの1/100、ノイシュヴァンシュタイン桜子の1/1000くらいは可愛いと思いますが。彼女の存在は物語を大いに盛り上げたわけですが、いかんせん可愛くなくてそこが残念なんですよねぇ。
そんな萌欠乏症な慊人ちゃんですが、ファンブックに1カットだけある「制服姿」が実に可愛いんですよ。慊人のクセに。

「だんだん可愛くなっていく慊人」を見れたら九ちゃんを上回る猛者になったかもしれないのですが、そっち方面の需要は花とゆめ読者には無かったのでしょうか。

フルーツバスケットファンブック「宴」 (花とゆめCOMICSスペシャル)

フルーツバスケットファンブック「宴」 (花とゆめCOMICSスペシャル)