どうせならイヌっネコっジャンプ!をアニメ化希望

はっとりみつる先生がマガジンで連載を始めたときは驚きましたが、アニメ化は更にビックリ。アッパーズの頃から好きな漫画家なので嬉しいです。とか言いながら今まで話題にしませんでしたが。今まで取り上げなかった分、はっとり先生の連載デビュー作を取り上げようと思います。

イヌっネコっジャンプ! 1 (アッパーズKC)

イヌっネコっジャンプ! 1 (アッパーズKC)

なんでここでウミショーじゃなくかというと、この漫画が大好きだから。アニメ化に便乗して好きな漫画について語りたいってだけですぶっちゃけ。
高校陸上の幅跳びランキング2位だった雄皇隆大は、大学生となり陸上もスッパリやめてしまった。そんなオズの前に現れたのは大学の中に一際目立つ高校生、堀口ゆうき。彼女は何故かオズを知っていて、しかも彼が誰にも話したことのない幼き日の夢、「すごいジャンプをして地球を回る」ことを知っていたのでした。
この漫画のヒロイン、ユウキはヘッドフォン娘

たまごまごごはんさんでヘッドフォン娘に関して深く語られていますのでそちらを未読の方はどうぞ。無機物パーツと少女達〜ヘッドフォンの美学〜 - たまごまごごはんたまごまごさんには影響受けっぱなしです。
ユウキはヘッドフォンをつけることでアホ毛が出来ます。これは他にいましたっけ?ヘッドフォン+アホ毛はユウキのトレードマークです。また、ヘッドフォンは彼女にとっての「外界とのカベ」。最初はオズを振り回す元気な少女を印象付けたのですが、次第にオズ以外の人間とは打ち解けられない極度な人見知りという面が出てきました。(そこら辺を象徴する人物としてオズの大学の先輩のももやんという強烈なキャラがいるのですがキリがないので省略。残念)
ユウキはいつでもどこでもヘッドフォンを着けています。授業中も、プールでも、温泉に入っていても。オズと2人にいる時にはヘッドフォンを外すことで、ユウキのオズに対する強い信頼感が分かります。街中でヘッドフォンが壊れてしまったときの話では、こんな感じ。

キタコレ
ユウキの可愛さは無敵です。他にはこんな場面も。

この後更に胸をぐーりぐりと押し当て、「ホラホラわかるー?小さいけど」と胸の小ささを気にするという完璧ぶり。まさに無敵ヒロイン。当然ながらいつでもノーブラです。あてナントカとかウルトラバストナントカの領域にはもう数年前からはっとり先生はいるんですよ
はっとり先生のキャラは、コレぐらいブッ飛んでるんですよ。それに比べてウミショーの娘どもはなっちゃいない。頑張ってるのは静岡さんくらい。もっとやりたい放題を期待してましたが、少年誌だから遠慮してるんでしょうね。毎号何故かエロイラストが掲載されていたアッパーズ連載だったから、イヌっネコっジャンプはノビノビしてました。もう1人のヒロイン和月は体型からしてエロいし、ユウキのライバルナオはオズの股間を無理矢理イジるし、後半新キャラで出てきた中学生の女の子は「オズさんでオ○ニーしちゃいました♥」ですよ。健全なサイトにするため伏せ字にしましたが、ここまで意味の無い伏せ字も珍しいです。こういう淫靡さがイヌネコにはありました。おとぎのまちのれなはまた違う感じ。
別に僕がエロいとかマンガがあればいーのだ。さんを露骨に意識しているからこういうことばかり強調しているわけでなく、はっとり先生の漫画の魅力ってこういう突拍子も無い変態チックな所だと思うんですよ。各作品で度合いが異なりますが、イヌネコの感じがコメディとしては1番優れていると思います。オズとももやんのヘタレ具合なんか特に。オズも回を減るごとに変態としての地位が確立していくんですけど、その様がなんか青くておかしい。
エロばかり強調しちゃったけど、この漫画って子供の頃の夢とか思い出とか、そういった青臭いテーマが大切な位置を占めてるんだと思います。「地球を回る」っいういかにも子供の発想な夢。でもそれがあったからこそ飛び続けたオズは、薄々自覚していた「そんなことは無理だ」ということを確信してしまったからこそ幅跳びをやめてしまったように思います。彼にとってインターハイもオリンピックも重要ではなかったのでしょう。高校時代のライバル長谷川を意識はしつつも、彼は大学で陸上をするという選択肢は選びませんでした。そんなオズを大学の陸上部に誘おうとするのは、中学時代から陸上選手としての彼を知る和月さん。オズがジャンプする所を見た時、当時見た思い出がフラッシュバックします

普段のドタバタや変態さとは対照的な、叙情的なシーン。和月のオズに対する憧れが彼女が陸上の道に進むきっかけとなったのです。オズに陸上を続けてほしいと願うのも、過去の思い出があってのことでしょう。中学時代は陸上に青春をかけていたオズも、高校・大学と進むにつれ冷めた性格になってしまったように見れます。でもそれって結構普通のことですよね。たいていの人は成長すると熱い気持ちを持つことが難しくなっていきます。冷めてしまったオズに、自分からは何も出来ず昔の熱かったオズを引きずる和月。変態キャラのももやんも、ふと自分の昔の夢を語ったり。「夢見るだけやったらタダやしな!」の一言に、男共のダメっぷりと前向きさ、楽しさがにじみ出ててこの漫画の青い部分を象徴している気がします。
夢のために突っ走る少女、ユウキがオズを振り回すこの物語は、5巻で終了。第弐齋藤 土踏まず日記さんの5巻のレビューが物語の伝えたかったことを表していると思います。ラストシーンの美しさが印象的でした。
あと3・4巻のレビューも。
http://sto-2.que.jp/ndiary/2001/05/200105102.html
http://sto-2.que.jp/ndiary/2001/10/200110092.html

イヌネコファンとして、天下のマガジンではっとり先生が活躍しているのは嬉しいことなんですが、イヌネコの頃感じたあのドキドキはまだ味わえていません。キャラのハジケっぷりは不死身のフジナミやら妹選手権を連載してたアッパーズだからこそ受け入れられたのであって、少年誌連載でそれを求めるのは酷だしマガジン読者に受け入れられないだろうと思いから仕方が無いと思います。ですがイヌネコの時の様なあの青さがイマイチ感じられません。アニメ化決定して磐石になったところで、もうそろそろ要とあむろの過去や恋愛模様、キャラ1人1人の背景なんかをもっと力を入れて欲しいと思います。なにはともあれアニメは楽しみ。うちでも見れる局だといいのですが。

¡ƒXƒ^ƒWƒI‚͂݁¡
はっとりみつる先生のHP
http://www.toranoana.jp/torabook/toradayo/ncomic01.html
イヌネコ連載時のインタビュー