君に届けが僕の心に届きました

君に届けという作品を完全に見くびってました。1巻読んだ時はそれほど面白いと思わなかったのですが、2・3巻を古本屋で見つけたので買って読んだのですが涙腺がユルユルです。

君に届け (2) (マーガレットコミックス (4094))

君に届け (2) (マーガレットコミックス (4094))

あえて2巻を出します。
1巻のあらすじを簡単に書くと、人がいいんだけど一見不気味に映る少女、爽子が友人に支えられて周りと少しずつ仲良くなっていく・・・と、結構良くある感じ。貞子(アダ名)が周りから誤解される様を見て、つい「ヤマトナデシコ7変化♥」と比べてしまいました。「地味な女の子をイケメン男子がいい女に変える」という使い古された設定を、オカルト好きの主人公スナコの強烈な個性で吹き飛ばした所が、他に類を見ないこの作品の個性となっていると思います。周りから恐れられても幸せそうに我が道を突き進むスナコを見ていると、貞子がいかにもありきたりなキャラに映ってしまいまして。作品が目指す方向性が全く違うから、2つを比べるのはおかしなことなんですけどね。
1巻の終わりが「貞子といつも一緒にいる吉田さんと矢野さんが自分達の悪い噂を聞き、それを流しているのが貞子だと聞く」というもの。この先の展開は友人勘違い→仲違い→和解って感じなのかと勝手に予想してました。しかし実際読んでみたら、貞子のことを最後まで信じようとして、それでも貞子が自分達をどう思っているのか分からず悩み、貞子は自分が近くにいることで2人に迷惑がかかると悩み、それで2人と距離を取ってしまい、それがまた2人にとって不安になって行く・・・という風に、ボタンは掛け違ってしまってるんですが互いが互いのことを凄く思っているのがとても、なんていうかこうキラキラして見えて、汚れてしまった僕の瞳にはあまりにも眩しく目に汗が・・・(何だこの歯切れの悪い文は)
1巻読んでその登場人物の純粋さが感じ取れたのですけど、2巻の名エピソードを読んだ後だとキャラに対する愛着が一気に高まります。3巻出てるけど2巻のほうがオススメ。
3巻も話の展開は特に目新しさはありませんが、爽子達の日常が眩しくてそれだけで幸せになれます。ただ黒いキャラが出てくるのですが、これが個人的にいただけない。話にアクセントを加えるために必要かもしれませんが、爽子達を見て得られる幸せが黒いキャラのせいで半減しちゃうんですよね。なんでこういうキャラを少女マンガは出したがるんでしょう。先生!とか。変にモメないで幸せな結末に収まってほしいです。話の今後の展開でまた自分の中の評価が変わっちゃいそうですけど、少なくとも2巻は素晴らしかったです。