漫画家自身の実録マンガはやたら面白い

昨日の記事に重野なおき先生を加えなかったのはどう考えても失敗でした。ということで今日も4コマの話。
いつもバイト終わりは4コマ誌を立ち読みしてから帰るのですが、今月のまんがクラブは特に面白かったです。自虐の詩映画化に合わせて映画監督、評論家、漫画家が自分の好きなシーンを振り返るという企画。特にむんこ先生の選んだシーンは僕も印象に残ったシーンでした。むんこ先生の言う「視野の広がり」、あそこら辺からの展開が作品の力を一気に高めたと思います。
ここで夏目房之介先生の解説を。「マンガ夜話」「アニメ夜話」120連発 完全版
(SWFBLOG 「マンガ夜話」「アニメ夜話」120連発 完全版より)
マンガ夜話再放送してくれNHK。新しい話も。
現在連載中の新自虐の詩も徐々に話が進んでいきます。「向こう岸」「貧民街」という気になる言葉が出てきましたが、何はともあれこれから先どの様な展開をするかに関わってきます。
ほかにも相変わらずむんこ先生のまい・ホームなど面白い漫画が多かったのですが、一番気になったのはカラスヤサトシ先生の「おのぼり物語」。去年単行本を出し一気にブレイクした漫画家で、こういう人を竹書房は引っ張ってくるのが上手いです。
話はカラスヤ先生が漫画家を目指し上京するという実体験です。同じ実体験でも福満先生が「ネガティブ」ならカラスヤ先生は「奇行」。故郷を去って1人上京する淋しさや不安があるはずなのに、カラスヤ先生独特の「明るい奇行」を包み隠さず出してくる様が相変わらずの面白さでしんみりせず楽しく読める・・・と思わせて、最後はしんみりとして終わっていきます。夢と希望に満ち溢れたという感じでは決してないけれども、奇行や発想の奇抜さが暗さを感じさせない日中。ふと静かになった夜に訪れる孤独。これを少ないページでやるんだから凄いです。失礼な話、カラスヤサトシ先生がここまで描くとは思っていませんでした。愉快な漫画を描くという認識はありましたが。まだ始まったばかりですが、今後に期待です。あと確かまんがライフMOMOでも連載しているようです。まんがクラブ系とまんがライフ系の複雑さは異常。むしろ4コマ誌全部複雑すぎます。そこら辺が新規読者開拓になかなか結びつかない要因なんでしょうね。