山東ユカ先生出世作 ヒミツの保健室大団円

先月号のヤングキングアワーズ山東ユカ先生のヒミツの保健室が最終回を迎えました。山東先生はこの作品が出世作となり4コマ誌でも多く連載を持つようになりましたが、それでも山東先生=ヒミツの保健室との思いが強く、最終回はしんみり・・・とはしませんでした。みんな相変わらず。らしい最終回でした。
最終回を記念してヒミツの保健室を振り返りたいと思います。

ヒミツの保健室 1 (ヤングキングコミックス)

ヒミツの保健室 1 (ヤングキングコミックス)

ヒミツの保健室で検索したら普通にいかがわしい商品がヒットしました。このタイトル、確信犯のようです。
聖九洲高校の保険医、香椎あやめは派手好き、お金好き、美少年大好きという女の業をかき集めたような女。勤務態度が不真面目な彼女にツッコミを入れ尻を叩くのが、保険委員の佐々木絵真。このコンビを中心に話が進んでいきます
佐々木ちゃんの特徴はおかっぱ頭、語尾が「〜ですの」、成績優秀、真面目、ヤマトナデシコ、実家が和菓子屋、黒ニーソ(理由が足が見えると恥ずかしいから)、と一言で言うなら完璧少女です。
佐々木ちゃんの友達その1、酉井右菜。古館イチローを崇拝し実況に命をかける放送委員。時折見せる腐女子的な面もすでに出てきています。友人その2、石川涼子(りょん)。馬鹿の鏡のようなキャラ。りょんの現代文の出来なさ加減に苦悩する岩淵先生とこの先長くコンビを組むことに。
佐々木ちゃんを密かに愛でる科学教師、中谷恭一(ナカヤン)。愛でるがあまり数人の同士とファンクラ部を結成してしまうという危険な教師。しかし何をしたかといえば、佐々木ちゃんのことを最後まで見守っていただけに終始していました。佐々木ちゃんを「絶対不可侵の偶像」とでも捉えてていたのでしょう。佐々木ちゃんの偶像化は話が進むにつれて強くなっていきます。卒業式のナカヤンには泣けた・・・
カザミンも学年主任の平田先生(のカツラ)も登場しますが、真価を発揮するのはまだ先のこと。絵も今とは印象が違い6年の時間の流れを感じさせます。
ヒミツの保健室 2 (ヤングキングコミックス)

ヒミツの保健室 2 (ヤングキングコミックス)

佐々木絵真ファンクラ部が徐々に壊れていく巻。「ロード・オブ・佐々木」という裏タイトルの自主制作映画を流したり、佐々木ちゃんと一緒に写真をとろうとした不届き者を成敗したり。でも佐々木ちゃんには一切危害を加えないどころか必要以上に接しようとしません。まさに偶像崇拝
偶像としての佐々木ちゃんを香椎が利用。ダメな大人を世界規模で集めて佐々木絵真を「湯船好子世界遺産」に。なんだそりゃ。このワケの分からない設定は最後まで引きずられていきます。佐々木ちゃんを利用してちゃっかり私服を肥やす香椎先生。
ドビー→ドビ太が初登場。今までいなかった不思議ちゃん男子。香椎が珍しく苦手なキャラですが、初登場時はゲテモノ料理好きとして同士になっています。
酉井に恋する放送部員の後輩も登場。その後も地味に何回か出ますが、結局酉井に男として意識されることはなかった不運の男。一方の酉井はエッチな少女マンガとかル○ー文庫とか読んでる3次元より2次元の人。不毛です。
教育実習生として1巻で出てきたカザミンが教師として再び登場。香椎には酷い目に合わされ、意中のナカヤンは佐々木に夢中で相手にされないという不遇のキャラ。ごく一部の生徒には人気アリ。
成績面でも言動面でもりょんの馬鹿さが前面に出てきたのもここらへんから通知表に電信柱とあひる(1と2)が行きかう光り輝かんばかりの馬鹿。
あと佐々木ちゃんがバイトで巫女さんに。似合いすぎ。
ヒミツの保健室 3 (ヤングキングコミックス)

ヒミツの保健室 3 (ヤングキングコミックス)

後に4巻で出てくる「転校生キャラ」、八尋千夏が見学に来た中学3年の受験生としてチラッと登場。印象に残らなかったのはまだキャラが確立していなかった以上に平田主任のフサフサヘアーのせいでしょう。元々ヅラ疑惑のあった平田先生の髪が、タガが外れたように派手になっていきます。
りょんが「今年から3年生」と言うと口止めされる・・・なんてネタがあったからこの漫画が同じ学年をグルグル回るものだと思ったのですが、次の年にはスンナリ3年生に進級します。グルグルモノなのに卒業させられた不運のキャラ、クラ部所属ののメガネは何故卒業しなければならなかったのでしょうか。クラ部全員が名前も学年もクラスも知らない可愛そうなキャラ。
香椎の下の名前と実家の職業が判明。香椎母は香椎に負けず劣らず派手でいい性格の持ち主でした。
ヒミツの保健室 4 (ヤングキングコミックス)

ヒミツの保健室 4 (ヤングキングコミックス)

韓国へ修学旅行に行ったり佐々木ちゃんたちが3年生になったりと色々動きがあった4巻。
韓国旅行中に何故かりょんモテ期突入。異国の殿方に求婚されたりしますが、帰国したら魔法が解けたかのようにいつものりょんでした。代わりにりょん弟が登場。コイツがりょんの弟と思えないくらい出来た男で、ふがいない姉の変わりに影武者になります。男とバレバレなのにそれでも人気と「男でもかわいいは正義」なのでした。
八尋千夏が転校生として登場。新入生じゃなく転校生っていう微妙さ。いつまでも違う制服を着ているのは、転校生キャラで売り出そうとする香椎の策略でしょうか。佐々木、香椎、ドビ太に次ぐ第4の保険委員としてレギュラー化。蛙のイラストの入った珍妙なカード占いが特徴。
酉井と後輩(名前は久里府くん)のデート。酉井さんの恋愛のダメッぷりはなんなんだろうか。
回を経るごとに派手になる平田主任。4巻ではついに初の裏表紙をゲット。
引き算できないオシャレ
この裏表紙誰が喜ぶんだよ!長くなったしいい加減眠いんで平田主任にオチをつけてもらいました。(オチてるのか?コレ)
最終の5巻は5月発売のようですが、山東ユカ先生がヤングキングのほうで連載しているカテゴリ・テリトリ1巻の発売が6月とのこと。ここまで書いといてなんですが、カテゴリ・テリトリの方が好きな作品だったりします。男2人女1人の同居モノ、なのに今までもこれからもセクシャルな臭いが全くしないのが面白いです。「みずたま注意報」の例もあるしラブコメを描かないという訳ではないのですが。たまごまごさんがハマっているみたいで嬉しかったです。やはり玲音のまゆげかポイントでしょうか。何故かウチには間違って買った2冊目の1巻があります。みずたま注意報ももうそろそろ2巻分の原稿溜まる頃だと思うので、首を長くして待っています。

画像引用 ヒミツの保健室 山東ユカ/少年画報者