死んだ妻がビデオの中でまるで生きているかのように振舞い、貧乏や人気の無さを自虐的な笑いに変える、言ってしまえばよくある短編ギャグ漫画。しかし、話が進むたびに話は深まり、ついには感動のラストを迎える。「自虐の詩を超えるときが来た。業田良家が静かに叫ぶ、最高傑作。」(上巻オビより)男の操。
- 作者: 業田良家
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特に下巻は怒涛の展開を見せます。死んだ妻、純子と今自分を支えてくれている万田さんとの間で揺れるみさおの心。突如純子のビデオテープを壊す深情社長の想い、純子の想い。そして純子との約束、紅白歌合戦出場を目指すみさお。
その後人生の絶頂を迎えるみさお。しかし話はそこで終わらず、30年後に舞台は移ります。ただ何かを得たという話では終わらずに、失ったものを描かれています。失うものはあるけれど、けっしてなくならないものがある。たった2巻に込められた、密度の濃い人生。いい漫画を読んだと心から思えます。
是非上下巻一気に読んで欲しいです。この面白さは続けて読まないと伝わりません。
キャラの中では深情社長が一番好きです。強く生きようとしつつも弱さを隠せない、魅力的な女性でした。最後に涙を流すシーンが印象的でした。深情マリこそ究極のツンデレ。
たいしてオチてもないし、台無しだ。