荒川アンダー ザ ブリッジ 4巻

トランクスダンディーな父さんの表紙が目印。
ひょんなことから荒川の河川敷に住むことになったリクルート(本名市ノ宮行)。自称河童、金星人、エスパー少年など変人たちが集まる橋の下で繰り広げられるギャグ漫画、荒川アンダー ザ ブリッジ4巻発売です。しかしWORKING!!といいヤングガンガンは変人大好き雑誌ですね。
リクの父親が橋の下の工事を計画するところが今巻のメインの話。ズボンを奪われた時の堂々とした対応は親父凄ぇの一言。同じ状況でもリクとは器が違います。親父最強。
キャラクターではステラが面白かったです。シスターが好きでイギリスから荒川まで追ってきたステラ。シスターはマリアさんが好きということを知り、急変。すもも体型のステラが一気に世紀末覇者の体型(あと絵柄)になったのは笑いました。その後も普通に体型変わるのが定着してます。ステラも恋敵がドSのマリアさんじゃ大変でしょうね。立ち退き要求に来た国交省の役人を調教して追い返す強者。前言撤回、最強はマリアさんです。マリアさんに調教されたい
ギャグ漫画なんですけど、しんみりするというか心に残るちょっといい話もあったりします。4巻で一番好きな話が星とニノの出会いの話。
有能なプロデューサーのおかげで歌手として成功したかつての星。自分の歌が歌えないストレスを河川敷で即興演奏をすることで晴らしていた時にニノと出会う
自分の無力さに打ちひしがれている星が言う。
プロデューサーって太陽がいなけりゃ歌えねえ
自分の力で光れねぇ情けねぇ衛星よ…!

その頃の星はすでにもうマスクかぶってます。当時は衛星だから月。満ち欠けします。
その時ニノが言います。
お前自分で歌ってるじゃないか
お前は月じゃないな!
お前はぴかぴかの一等星だろ!

いいこと言うなぁニノさん。これが素で言ってる言葉だから良いです。ニノさんの言葉の端々には、こういった優しさが溢れています。星がホレるのも納得です。
他にも巻末のカラーページ。リクが小学生の頃のリクパパとの話。リクはあのような厳格な父親に育てられていたからこそ、愛情というものに飢えていたと思います。だからこそなし崩し的につきあい始めたニノの母性に徐々に引かれていったのだと思います。父との電話の話では、リクとニノの絆が深まったことが分かりました。
感動的なエピソードが多いといっても、オビでやたらに泣きや涙を前面に押し出すのは違うと思います。あくまでギャグ漫画として読んで、ふとした時にしんみりするくらいがちょうどいいです。