ケンヂ改め大岩ケンジ マヒルの用心棒

NHKにようこそ!6巻の広告欄で、マヒルの用心棒なる大岩ケンヂ先生のオリジナル作品の存在を知りました。気になったので買ってみました。

マヒルの用心棒 (#1) (角川コミックス・エース (KCA98-10))

マヒルの用心棒 (#1) (角川コミックス・エース (KCA98-10))

連載はライトノベル誌のビーンズエースとのこと。ラノベはほとんど読まないからチェックしてませんでした。
大岩ケン改め大岩ケン。何故名義を変えたのかは良く分かりませんが、この作品に対する先生なりの思い入れの現れでしょうか。NHKのほうは今まで通りなので、原作付きとオリジナルとの差をつけたいからでしょうか。
大岩ケンヂ先生を僕はGOTHで知りました。多分連載デビュー作。乙一先生の同名の小説を漫画化しました。次の連載はオリジナル作品である99ハッピーソウル。どちらも全1巻ですが、前者は原作小説の魅力を発揮した1巻、後者はうやむやのまま終わった感が否めません。次の連載、NHKにようこそ!も原作小説付きで、ヒット作品となり、大岩先生のイメージは「原作付きなら光る作家」となりました。少なくとも僕の中では。
99ハッピーソウルがエースで連載中に読んだときは、何だか分からないうちに終わったと言う印象を持ちました。GOTHを面白いと思ったのでがっかりしたというところもあります。でも単行本を読み返してみたら、かつての印象とは違い、面白かったです。電動こけしツクモ神っていうバカな設定に、適度にエロを散りばめたテンポのいいストーリー。今思い返せば、連載中は楽しみに読んでいたのに、いきなり最終回でしかも設定丸投げで終わった失望で印象が悪くなっていたんだと思います。読んでいて続きがとても読みたくなる漫画でした。その後の連載がNHKにようこそ!で、打ち切りのような終わりにはもしかしたら編集部の事情があったのかもしれません。99のあとがきで誰か現在の仕事やってくださいかわりに。そしたら俺同人作家になりますオリジナルの。との言葉を残したので、オリジナルに対してかなりの思いがあることが伺えます。
マヒルの用心棒の内容は、かつて自分を救った行方不明の女を捜す男と、その妹の話。特殊な能力を持った少年少女とのバトル展開がありつつも、シリアスになり過ぎない軽めの展開。締めるところはキッチリ締めていて、面白かったです。
単行本で読んだらスピード感があり、むしろ説明不足というか、語られるべき部分を飛ばしている印象さえありました。(敵として登場した人物がスンナリ仲間になったり、ゆくゆくは死んでしまう能力を突如手に入れたヒロインのマヒルにそれ故の葛藤がなかったり。)それは恐らく3ヶ月に1回の連載ペースによるもので、雑誌で読めばむしろペースが遅く感じるかもしれません。99と違って基本的にはシリアスに話が進む以上は、そこら辺の登場人物の真情の変化はちゃんと描いてほしいです。なにわともあれ今後どのような展開になるのか楽しみです。

NHKにようこそ!のほうは、岬が痛々しすぎて笑えないレベルになってました。もっとダメ人間なはずなのに、佐藤はダメっぷりが笑えるのですが、この差は何なんでしょう。
菜々子も何なんでしょう。あんなに積極的に行っておいて、どーでもいいなんて…こんなに漫画の中の女性に殺意を抱いたのは涼風以来です。
山崎はホストで人気出たり可愛い妹がいたりであまり同情はしません。