メイド漫画と言えばコレですね

きづきあきら+サトウナンキの最新刊、メイド諸君!やっと入手しました。

連載が始まった頃はきづきあきら先生の漫画がまた読めるってことがただ嬉しかったのですが、メイド漫画と知って少し戸惑いました。メイドのイメージは癒しで、それは部員たちの心の弱さをジワジワと弄っていくヨイコノミライ!とはかけ離れていたからです。
主人公の藤堂千代子は、普通の少女。ドジっ子だったり天然な所はあるけれど、いたって普通の子です。メイド喫茶の存在すら知らなかったのですが、ひょんなことからメイド喫茶で働くことになります。特殊な店員、特殊な接客、特殊な客。普通な主人公がメイド喫茶という特殊な空間を写す鏡になっています。

メイドの中にレズのカップルがいるってのはいかにもきづき先生な展開。蜂矢さんの女タラシぶりに夢中でした。空手ポーズで「怪我はないかい?お嬢さん」できらーんですよ。女の子を小鳥ちゃん呼ばわり。
マイノリティーな恋愛を描くのはきづき先生の趣味とすれば、それゆえの辛さや迷いまで描くのが先生の技量です。蜂矢さんと愛理さんのエピソードは短編の作風を思わせます。ここの話が一番好きです。

メイド諸君!で気付いたのは、きづき先生の描く女の子が可愛いということ。ヨイコはその内容の重さからそういう視点を持てませんでしたし、以前の絵柄は別物でした。メイド諸君!があったからこそ、4巻の桂坂先輩のエロさが際立つわけですよ!
以前の絵柄は、独特の不気味さや弱さが感じられる稀有な絵柄で、それがもう見れないというのは残念ですが、あの絵柄ではメイド諸君!は出来ないです。絵柄や作風の変化を見ると、きづき先生は常に違う方法を模索している漫画家なのかもしれません。

わざわざ池袋のとらのあなで買いました。きづき先生のサイン会に行くためです。しかし何故秋葉原が舞台の漫画が池袋でサイン会をするのでしょうか?

きづきあきら+サトウナンキ先生を「きづき先生」と略すと佐藤先生を蔑ろにしている様な気がするのですが、フルだと長すぎるんですよね。何かいい略し方がないものか。

画像引用  きづきあきら 缶詰の地獄:2006年10月