押切蓮介最新短編集

ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!

ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!

ジャケ買いならぬ名前買いしました。ドヒーって・・・押切先生らしいユルさがいいです。同名の書き下ろし新作が最高。腹抱えて笑いました。
短編集の中身は新作書き下ろし、初期から割と最近の読みきり、未発表作と多彩でした。押切先生の出世作「でろでろ」以前の作品は、でろでろ以上に破天荒でカオスな展開で、でろでろからのファンにはちょっと受け入れないかと思います。
押切先生の漫画は「オモシロコワイ」という表現がよくされますが、どこが怖いのか分かりません。ホラーの仮面を被った(もしくは、ホラーを逆手に取った)ギャグ漫画だと思います。おばけを馬鹿にしたような漫画を描く人だと思っていたのですが、今巻のあとがきで、馬鹿にした「ような」ではなく、実際に馬鹿にしているのだと知りました。あとがきのなかで、漫画を描けば描くほど、おばけは本当に本当に、いないんだなあと実感していますと、ホラー漫画家にあるまじき発言をしちゃっています。つのだじろう先生が聞いたら怒りそうです。
そんなこと言いつつも、「かげろうの日々」という本気で怖いホラー漫画もあります。なかなか奥の深い人です。
でろでろファンでも読んだことのない作品ばかりだと思うのでオススメしますが、でろでろの様な漫画ばかりではないことは確かです。でろでろ8巻を買わずにコレを買ったのですが、やっぱりでろでろを買えばよかったと思いました。そんな感じ。
近代麻雀の読みきりが入っていたのが嬉しいです。竹書房はなかなか単行本を出さないので。大和田秀樹先生の首相のやつとかも何とか単行本化してほしいものです。まんがライフオリジナルでやってる「ぼくと姉とオバケたち」もオススメ。こっちはそのうち単行本化されると思います。多分。