小笠原朋子先生、新連載地味にスタート

自分はかなり4コマ漫画好きだと思っていたのですが、まんがタウンオリジナルの休刊には全く気付きませんでした。今日本屋で売れ残った最終号を買ったのですが、表紙には休刊について特に何も書かれておらず、後ろのほうに「休刊します。4年間ありがとうございました。」とこっそり書かれているだけでした。いいわけですが、これじゃあ気付かなくて当然です。
雑誌を移って連載を続ける漫画と、連載が強制終了になった漫画の差が悲しかったです。
本誌であるまんがタウンは4コマ漫画雑誌なのに看板はクレヨンしんちゃん。国民的漫画なので言うまでもありませんが4コマ漫画じゃありません
そんなまんがタウンで、小笠原朋子先生が新連載を始めました。まあ新連載といっても、まんがタウンではずっと連載を続けてるいし、新連載も確か今年で3本目?だったと思います。ここら辺は同じ漫画家が同時に何個も連載を持つ4コマ漫画特有のものだと思いますが、その中でも小笠原朋子先生はかなり多作なほうです。
新連載の名前はパラダイス*ホテル。以前連載していたさくらハイツ102の続編です。

さくらハイツ102 3 (アクションコミックス)

さくらハイツ102 3 (アクションコミックス)

さくらハイツ102は、小笠原先生の作品の中で1番好きな作品で、すべての4コマ漫画の中でも個人的に5本の指に入るほど好きな作品です。
大学生でアパートの管理人の水野君のもとに、友人の恩田が姉の園子を家に置いて欲しいと頼みます。
弟曰く「6歳上のどうしようもない姉」は、自称女優、仕事もしないで毎日だらだら、家賃は踏み倒し、水野君の家の食料や服を勝手に持っていくなど、ガチでどうしようもない人間なのですが、次第に水野君はそのちゃんを好きになっていきます。
そのちゃんとは園子のあだ名。まさか園子なんてかわいくない名前がこんなにかわいいあだ名になるなんて思いもしませんでした
そのちゃんが来て1年もたつと、感覚がマヒしたのか次第に水野くんはそのちゃんを意識し始めます。その間そのちゃんはまったく家賃を納めず、水野くんの親はそのちゃんを追い出すように言いますが、水野くんは待ってほしいと言います。そのちゃんへの思いを徐々に自覚していくこの時期の水野くんが、本当に愛しく思えて仕方がないのです。これを毎回たった5ページで描ける漫画家はそうはいないと思います。
そんなさくらハイツ102の続編、パラダイス*ホテル。
厳密に言うと続編ではありません。102の登場人物、水野くんの友人でそのちゃんの弟恩田と、水野君を好きだった小川さやかの出てくる話です。山の上歌劇団からあしたも嵐!のような流れです。小笠原先生を知らない人には、B.BからLOVEだと思えば分かりやすいと思います。
そのちゃんと水野くんの話は完結したので、2人のその後をあまり描かれるのはちょっと嫌ですが、その周辺人物を描くのは素直に楽しめます。でも出来れば2人のその後もちょっと見たい。読者ってのはわがままです。
その新連載も、まんがタウン後ろのほうでこっそり始まりました。これに比べれば、メゾン・ド・ペンギンなんて破格の扱いです。表紙はクレしん小池田マヤ私屋カヲルだから仕方ないですかね。でももうちょっと大きい扱いをして欲しかったです。
私屋カヲル先生=こどものじかんというイメージが強くなりましたが、4コマや青年誌、少女マンガなど、実に多彩な作風を持った漫画家で、こどものじかん今までのキャリアで培ったスキルがケミストリーを起こしたんだなぁなんてわけのわからない横文字の感想が出てきます。
小池田マヤ先生も、30代のおっさんと30手前の姉ちゃんののほほんとした恋と同時に高校生の乱れた性を連載する、実に多彩な作風の漫画家です。
小笠原朋子先生の漫画は、どれも同じような空気ですが、女の子が一癖のあるキャラクターばかりで多彩な魅力があります。どの連載も数ページで毎月僕の心をわしづかみにします。
4コマ漫画をあずまんがか新聞の奴くらいしか知らない人は、一度先生の作品を読んでみてください。ハマったら抜けられません。
最近連載が淡白に最終回迎えちゃってる気がして少し物足りないです。
そのちゃん好きだけどダイアナも好き。ダイアナかわいいよダイアナ。嵐早く単行本にならないかな。