そして第2章へ・・・「べしゃり暮らし」

nadegata2006-08-16

ジャンプがお盆休みで読む漫画がないという人を狙ったあざとい雑誌、「赤マルジャンプ」。

新人の読みきりばかりで大半は読むのがダルいものばかりなのですが、今後ジャンプを支えるかもしれない作家をいち早く知ることができる雑誌です。まあそんなもの売れてから知ればいいと思うのですが、作家の都合か出版社の都合か、新人時代の読みきりはなかなか単行本に収録されません。海の勇者ライフセイバーズはどうやったら読めるのでしょうか。もっともこれは短期連載だったらしいですが。
しかし、今回の赤マルジャンプの注目は、「べしゃり暮らし」です。お笑いをテーマにした森田まさのり先生の意欲作でしたが、木多先生が「色が違います」といったように、見事に打ち切り。「武装錬金」のように、赤丸でなんとか最終回を書く形に・・・
なると思ってましたが、第1章完。つまりまだ続くようです。これはうれしい
なぜ打ち切られたかというのを、ウィキペディアべしゃり暮らしの項目で書かれています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B9%E3%81%97%E3%82%83%E3%82%8A%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%97
要約するとお笑いをテーマにした漫画なのに笑えなかったからのようですが、これには疑問を感じます。
森田先生が描きたかったのは、「シチサン×メガネ」のようなコメディー(?)ではなく、あくまでもお笑いにかける人々の人間ドラマだったはずです。プロトタイプとも言える読みきりからもそれが判ると思うのですが、大部分のジャンプ読者には通じなかったのでしょうか。

のだめカンタービレ」は漫画なので、当然音は聞こえません。クラシックなので曲自体はイメージできますが、知らない人には「英雄」や「悲壮」なんて言われてもピンときません。
1巻ののだめと千秋の連弾の回。のだめの破天荒な演奏に合わせ、千秋はたしかな身震いを感じました。このシーンを読んで、僕も身震いを感じました。音が聞こえなくても、千秋の感情がじわじわと伝わってきたからです。

上妻と辻本の漫才には、それに近いものを感じることができました。個人的にはネタも面白かったと思います。ですがそれよりも、二人の感情の高ぶりが徐々に感じられる演出に身震いしました。
上妻のボケを活かす辻本のツッコミ。
上妻が次に何を言うかを本気で楽しんでいる辻本。
会場の大爆笑。
故あってお笑いを憎んでいた父の心境の変化。
そして最後に、お笑い芸人への道を志した上妻。
第1部の締めにふさわしい最高の回でした。

10年以上前のジャンプを支えた漫画家が次々と青年誌に移っています。確かにジャンプ読者層より少し大人向けな内容でしたが、こういう漫画を幼い頃に触れるというのは大切だと思います。同じようなことを、「ヴィンランド・サガアフタヌーン移籍の際に誰かが記事で言っていたことを記憶しています。
この際マイナー雑誌でもいいので、ぜひ納得のいくところまで書ききって欲しいです。荒木先生、徳永先生のような活躍を見せて欲しいです。

これでヤンジャンヤンマガに移ったら木多先生はまた伝説を作りますね